内容説明
世界では、再生可能エネルギーと蓄電池のコスト革命ならびに指数関数的な成長が進み、課題は「電力不足」ではなく、“ありあまる電気”の活用へと移った。日本が取るべきは、中央集権インフラの延命ではない。鍵は 「Ei=Electricity(電気) × intelligence(知性〈人間+AI〉)」。化石燃料依存から、電気を賢くつくり・ためて・使う設計へ。本書は、世界中で出現しつつある「シン・オール電化社会」という新しいOSの姿を描き出し、企業・自治体・生活者が取るべき実装ステップを提示する、政策とビジネスの実践書である。
目次
はじめに 電気が足りない?――神話の解体と新しい現実
第1章 UAEコンセンサス――世界が合意した未来の設計図
第2章 バッテリー・ディケイド――エネルギーの新しいOS
第3章 カーマゲドン――自動車産業の創造的破壊
第4章 シン・オール電化の時代へ――新しいエネルギー文明の原理
第5章 21世紀の電力システム――硬直から柔軟へ
第6章 RE100への道筋――世界のトップランナーに学ぶ
第7章 「第7次エネルギー基本計画」の読み方――「真田丸」からGXまで
第8章 原子力に固執する「病」と「沼」――病理的政策への診断と処方箋
第9章 落後する日本――停滞の病理学
第10章 「ソーラーはお嫌いですか」――太陽光への批判的言説の検証
第11章 日本のエネルギー再生への処方箋
第12章 コミュニティパワーという希望――地域からの再創造
おわりに ありあまる電気――豊かさの再定義
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
94
著者とは、30年以上一緒に議論を重ねてきた間柄である。この間、自然エネルギーの旗手として、反原発の急先鋒として、毀誉褒貶に曝されても、一貫してブレない理念を貫いた集大成がこの本だと思う。著者が訴えるのは、太陽光や原発などの個別の政策ではなく、社会システムとしてのエネルギーのあり方である。供給型から需給が連携した知識集約型へ、大規模発電から分散ネットワーク型へと。エネルギーの大パラダイム転換に直面する今こそ、飯田さんの知見が必要なのに、中東危機でガソリン補助金をバラまくような政治家に、それが分かる筈がない。2026/06/07
くものすけ
12
既存の電力会社、電気にかかわる重厚長大企業、官僚、保守革新の国会議員らを強烈に批判しまくっているとことは切れ味抜群。再生可能エネルギー(太陽光、風力等)があれば化石燃料発電も原発も不要というのが著者の意図。欧米先進国の統計数値を示し、日本の周回遅れの惨状を暴露する。諸悪の根源は旧体制にしがみつく一団の亡者存在で、手を変え品を変えて再生エネルギー発展の芽を摘んでいることは明らか2026/03/30
月をみるもの
9
原子力や火力を全否定することもないですが、遠からず再生可能エネルギーが中心になるという現実を認められないのであれば、いまの電力業界や経産省は滅ぼさないといかんですね。2026/05/28
青雲空
4
日本の再生に向けて、渾身の説得力で書いてくれているのだが、世間は電力ムラにすっかり洗脳されていて危機感ゼロ。 「これをやればいい」という処方箋をチリ紙交換に出しているような国なので、やはり「日本沈没」はノンフィクションになるしかないのだろう。 子どもには海外で生きていく力をつけてほしい。2026/05/14
gox2
1
再生可能エネルギーに(西海岸の一部を除く)アメリカがあまり触れられていなかったりと多少のバイアスは感じたが、それでもとても興味深い話だった。これからは電気があまる時代がくるという事であるが、自分の中では無駄に電気をつくらずに効率的な生活を送るという方がしっくりくるかなと思った2026/03/19




