内容説明
■金の小野
別れ話で口論となり、彼氏を奈良公園近くの猿沢池に突き落とした大学生の霧江。すると池から奈良時代の采女装束の女が現れ、彼女に選択を迫ってくる。「あなたが落とした彼氏は――」
■「私メリーさん、今から奈良県十津川村へ行くの」
グラフィックデザイナーの俺は、フリーランスへの転身を機に奈良県十津川村へと移住した。東京のワンルーム暮らしとは別世界の、のんびりとした生活に少しずつ馴染んできた矢先、スマホに非通知の着信が。「私メリーさん。いま、東京駅にいるの」
■シンデラレン
冴えないホテルマンの新出礼助は、家族との冷え切った関係に悩みながら夜の東大寺を歩いていた。大仏殿の東側に「猫段」と呼ばれる石段があり、ここで転んだ人間は猫になってしまうという。そんな伝説を思い出した礼助が、鳴り響く鐘の音に合わせて石段を登り始めたところうっかり足を滑らせて――。
■逆杜子春
大手ゼネコンの社長・御子柴俊春は、筋金入りのミニマリスト。しかし社長という立場が彼の理想を妨げていた。ある日、藤原宮跡で出会った僧侶のような老人が、俊春の「理想の暮らし」を叶える方法を告げる。「今日の午後三時ちょうどに、お前はきっと、お天道様の下に立っとるはずや。そのとき、自分の影の頭に当たる場所を、思いっきり掘れ」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
みち
18
面白くて、あっという間に読めた。前作よりも、きちんと小説になってるなと思った。奈良を舞台にしたお話、これからももっと読みたいと思った。2026/03/08
サケ太
10
個人的には前巻ほどのパンチはなさげ。しかし、今回も地に足が付いた(本当についているのか?)童話や都市伝説をモチーフにした奈良小説の面白さは健在。2026/02/28
niz001
3
ゲラ読み(これは自分で確保)、藤原宮跡の俊春が立ってた近くで読了。2話目のタイトル「私メリーさん、今から奈良県十津川村へ行くの」と「逆杜子春」の『近鉄の刃鮮魚列車編』で噴いてしまう。藤原宮跡~アルルなら4キロぐらいしか飛んでないやん。2026/01/17
しおちゃん。
2
メリーさんも杜子春も好き。前作より、最後にホッとする感じが読んでて心地よかった ウェブの小説から、本になった小説に変わった気がした2026/03/06




