内容説明
フェミニスト制度論は既存のフェミニズム政治学や制度論を批判して登場したが、ジェンダー不平等を再生産する制度の分析にとどまっているように見える。本書は、規範的なフェミニズム政治理論と架橋する「フェミニスト制度論的政治理論」を構想し、フェミニスト制度論の知見を現実の政治実践に応用する道筋を提案する。
目次
まえがき
序 章 フェミニスト制度論から政治理論をつくる
1 本書の目的――従来のパラダイムからの脱却を目指して
2 本書の問題意識
3 なぜフェミニスト制度論を議論するのか?
4 本書の意義
5 本書の構成
第I部 フェミニスト制度論は,どこから来て,どこへ行くのか?
第1章「ジェンダーと政治」研究の分断?――経験的研究と規範的研究の対話は可能か
1 本章の問題意識
2 「経験と規範」と「理論と実践」
3 理論的な次元における「経験的研究と規範的研究の対話」
4 結論
第2章 フェミニスト制度論による問題提起
1 問題の所在
2 フェミニズム的でない制度論への批判
3 制度論的でないジェンダー研究への批判
4 「制度論的」次元と「フェミニズム的」次元の統合可能性
5 フェミニスト制度論は「新しいボトルに入れた古いワイン」か?
第3章 フェミニスト制度論の何が問題か?
1 問題の所在
2 フェミニスト制度論の多様性
3 方法論的多元主義を主張するだけで十分か?
第4章 フェミニスト制度論のジレンマ――インフォーマルな制度をどう位置づけるか
1 問題の所在
2 フェミニスト制度論による「インフォーマルな制度」の理論化
3 インフォーマルな制度をめぐる課題
4 結論
第5章 「フェミニズム的でない制度論」をフェミニスト制度論として再定式化する
1 ハードケースとしての合理的選択制度論
2 フェミニズム理論から見た合理的選択制度論
3 フェミニスト合理的選択制度論の可能性─―「女性を加えてかき混ぜる」アプローチを越えて
4 結論
第I部の小括
第II部 「フェミニスト制度論」から「フェミニスト制度論的政治理論」へ
第6章 よりフェミニズム的なフェミニスト制度論へ
1 フェミニスト制度論は「フェミニズム的」か?
2 ラウンズの「ジェンダー化された制度」論
3 「ジェンダー化された制度」論の批判的検討
4 結論─―より「フェミニズム的」な制度論に向けて
第7章 フェミニスト制度論的政治理論に向けて
1 フェミニスト制度論は経験的な分析のための理論か?
2 「批判」から「規範的構想」へ
3 示唆的な先行研究
4 「フェミニスト制度論的政治理論」とは何か?
5 フェミニスト制度論的政治理論の5つの基準
7 結論
第II部の小括
第III部 ジェンダー平等を実現するための制度と制度変化の規範的構想
第8章 フェミニスト制度論は制度変化をどのように論じることができるのか?
1 はじめに
2 フェミニスト制度論は制度変化をどのように論じてきたか?
3 規範的観点から見た漸進的な制度変化
4 制度転用の擁護に向けて
5 結論
第9章 「フェミニスト制度論的政治理論」に基づいた議会の構想
1 本章の問題意識
2 「ジェンダーに配慮した議会」の批判的考察
3 「ジェンダー平等のための議会」の制度構想に向けて
4 「選挙型の議会」と「非選挙型の議会」の比較検討
5 フェミニスト制度論的政治理論に基づく「選挙型の議会」と「非選挙型の議会」を組み合わせた二院制の擁護
ほか
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- 電子書籍
- 公共施設の統廃合を合意する[固定版面]



