書物の航海へ いまを生きるための古典

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書物の航海へ いまを生きるための古典

  • 著者名:石井洋二郎【著】
  • 価格 ¥3,740(本体¥3,400)
  • 岩波書店(2026/02発売)
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  • ISBN:9784000617437

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内容説明

書物の大海原には,世界と人間の本質について何が書き残されているのか? 「驚く,学ぶ,関わる,戦う,愛する,生きる」という人間の普遍的な営みを軸に,プラトン,パスカル,モンテーニュ,ニーチェ,アーレント等々の古今の名著を巡る知の航海記.博覧強記の読書家が,哲学・歴史・文学を自在に横断し,新たな思索の海図を描く.

目次

序章 言葉の河 書物の海
 いざ,錨を! (マラルメ「海のそよ風」)
 古典とクラシック
 真理か当為か
 書物の航海へ

第一章 世界という不思議――「驚く」という経験
 世界は謎に満ちている
 言葉を失う経験(アーレント『カール・マルクスと西欧政治思想の伝統』『政治の約束』)
 哲学の始まりにあるもの(プラトン『テアイテトス』)
 経験から技術へ(アリストテレス『形而上学』1)
 記憶という神秘(アウグスティヌス『告白』1)
 第一情念としての「驚き」(デカルト『省察』『情念論』)
 無限を前にした戦慄(パスカル『パンセ』1)
 美しい思考停止(パスカル『パンセ』2)
 驚いて身震いすること(ゲーテ『ファウスト』)
 自明なものを疑うこと(ショーペンハウアー『意志と表象としての世界 続編』)
 哲学の動機としての悲哀(西田幾多郎『無の自覚的限定』)
 驚き続ける営み(九鬼周造『人間と実存』)
 想像力と超現実(ブルトン『シュルレアリスム宣言』)
 カオスからの創造(アリストテレス『形而上学』2,ブルフィンチ『ギリシア・ローマ神話』)
 天地創造という物語(旧約聖書『創世記』)
 壮大なる倒錯(フォイエルバッハ『キリスト教の本質』)
 驚くことの困難な時代に
 子どもという哲学者(カーソン『センス・オブ・ワンダー』)

第二章 学問の来歴と変遷――「知る」ことへの欲望
 奇想の事典(プリニウス『博物誌』)
 腐植土としての教養教育(ベーコン『学問の進歩』1)
 クリティカとトピカ(ヴィーコ『学問の方法』)
 哲学的教養の系譜(カント『諸学部の争い』,ミル『大学教育について』1)
 知識ではなく知識の哲学を(ミル『大学教育について』2)
 「実なき学問」よりも実学を(福沢諭吉『学問のすゝめ』)
 学問は進歩するか(ウェーバー『職業としての学問』1)
 教えることと指導すること(ウェーバー『職業としての学問』2)
 知識の世界の小さな地球儀(ベーコン『学問の進歩』2)
 知の体系化の試み(ディドロ,ダランベール編『百科全書』1)
 人間知識の系統図(ディドロ,ダランベール編『百科全書』2)
 円環状の知の連鎖(ディドロ,ダランベール編『百科全書』3)
 歴史・哲学・自然(ディドロ,ダランベール編『百科全書』4)
 「紋切型」のカタログ(フローベール『ブヴァールとペキュシェ』『紋切型辞典』1)
 脱色された言葉たち(フローベール『紋切型辞典』2)
 「反・辞典」の試み(フローベール『紋切型辞典』3)
 中国の奇妙な百科事典(ボルヘス『続審問』)
 困惑に満ちた笑い(フーコー『言葉と物』)

第三章 個人と共同体――「関わる」ことの困難
 社会契約論の萌芽(プラトン『国家』,アリストテレス『政治学』1)
 比例的平等と絶対的平等(プラトン『法律』,アリストテレス『政治学』2) 129
 近代的な平等思想(ホッブズ『リヴァイアサン』)
 無政府主義的な共同体(サド『悪徳の栄え』)
 闘争の力学(サド『新ジュスティーヌあるいは美徳の不幸』)
 自由か平等か(トクヴィル『アメリカのデモクラシー』1)
 結社という調整装置(トクヴィル『アメリカのデモクラシー』2)
 タラントゥラの嫉妬と復讐(ニーチェ『悦ばしき知識』『ツァラトゥストラ』1,『道徳の系譜』1)
 二人の侵犯者たち(ニーチェ『ツァラトゥストラ』2,『善悪の彼岸』,ホルクハイマー
 アドルノ『啓蒙の弁証法』)
 債権者と債務者(ニーチェ『道徳の系譜』2)
 超デモクラシーの出現(オルテガ『大衆の反逆』1)
 大衆化する少数者(オルテガ『大衆の反逆』2)
 階級社会の崩壊(アーレント『全体主義の起原』1)
 没我性への希求(アーレント『全体主義の起原』2)
 ナショナリズムの起源(アンダーソン『想像の共同体』1)
 国民の伝記(アンダーソン『想像の共同体』2)
 アイデンティティをめぐって

第四章 戦争と平和のはざまで――「戦う」という宿命
 戦う動物としての人間
 カエサルを読むモンテーニュ(カエサル『ガリア戦記』,モンテーニュ『エセー』1)
 正しい戦争はありうるか(アウグスティヌス『神の国』)
 理想郷と戦争(モア『ユートピア』)
 絶対的平和主義の理念(エラスムス『平和の訴え』)
 緩和と信義の思想(グロティウス『戦争と平和の法』)
 国家連合と永久平和(サン=ピエール『永久平和論』)
 戦争と社会契約(ルソー「戦争法の諸原理」)
 創設すべきものとしての平和(カント『永遠平和のために』)
 最初の本格的戦争論(クラウゼヴィッツ『戦争論』1)
 偶然と僥倖との国(クラウゼヴィッツ『戦争論』2)
 ナポレオン戦争と文学(トルストイ『戦争と平和』1)
 文豪の非戦論(トルストイ『日露戦争論』)
 悪夢と愛と(フランクル『夜と霧』1)
 書かれてはならなかった名著(フランクル『夜と霧』2)
 人はなぜ殺し合うのか(トルストイ『戦争と平和』2)
 戦争と祝祭(カイヨワ『戦争論』)

第五章 愛と性の深淵――「愛する」ことの神秘
 欲望の系譜学(フーコー『性の歴史』1)
 滅ぶべき者と滅びざる者(プラトン『饗宴』)
 恋愛は技術である(オウィディウス『恋愛指南』)
 聖職者と肉欲(アウグスティヌス『告白』2)
 受難と災厄の物語(『アベラールとエロイーズ』1)
 神への愛を超えて(『アベラールとエロイーズ』2)
 欲望を浄化する愛(ルソー『新エロイーズ』)
 詩的修辞の力(ゲーテ『若きウェルテルの悩み』)
 独身哲学者の結婚論(カント『人倫の形而上学』)
 恋愛と女子教育(スタンダール『恋愛論』)
 官能の詩学(ボードレール『悪の華』1)
 口唇への偏執(ボードレール『悪の華』2)
 性倒錯と性分化(フロイト『性理論三篇』)
 人は女になり,男に生まれる(ボーヴォワール『第二の性』1)
 存在の探求としての性(ボーヴォワール『第二の性』2)
 合一への欲望(フロム『愛するということ』1) 280
 中心における経験(フロム『愛するということ』2)
 存在同士を隔てる深淵(バタイユ『エロティシズム』1)
 失われた連続性へのノスタルジー(バタイユ『エロティシズム』2)

第六章 死にゆくものとしての人間――「生きる」という奇跡
 語りえぬ死(ジャンケレヴィッチ『死』1)
 魂の不滅をめぐって(プラトン『ソクラテスの弁明』『パイドン』,アリストテレス『魂について』)
 冥界のとば口で(ダンテ『神曲』)
 成熟ゆえの達観(キケロ『トゥスクルム荘対談集』『老年について』)
 死の準備としての哲学(モンテーニュ『エセー』2,セネカ『生の短さについて』)
 喜びとしての徳(モンテーニュ『エセー』3)
 生と溶け合う死(モンテーニュ『エセー』4)
 生きることの苦しみ(ショーペンハウアー『意志と表象としての世界 正編』1)
 個体の消滅と種の存続(ショーペンハウアー『意志と表象としての世界 正編』2)
 死に至らない病(キェルケゴール『死に至る病』1)
 死に至れない病(キェルケゴール『死に至る病』2)
 狂気に満ちた戦い(キェルケゴール『死に至る病』3)
 死の哲学と先駆的決意性(ハイデガー『存在と時間』1)
 ほかならぬ彼(女)の死(ハイデガー『存在と時間』2)
 東洋の智慧(三木清『人生論ノート』1)
 執着するものと永生の約束(三木清『人生論ノート』2)
 社会現象としての自殺(デュルケーム『自殺論』)
 強さゆえの自死(原口統三『二十歳のエチュード』1)
 夭折の覚悟と生への郷愁(原口統三『二十歳のエチュード』2,ランボー『地獄の一季節』)
 死ぬものしか生者ではない(ジャンケレヴィッチ『死』2)

終章 航海の終わりに
 新たな生へ(バルト『小説の準備』1)
 〈ハ長調〉の作品(バルト『小説の準備』2)
 いつもとは異なる仕方で(フーコー『性の歴史』2)

 文献一覧
 あとがき

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