内容説明
人間は、つねに疑念を抱く生き物である。
錯覚や幻覚、虚偽(フェイク)や真実(トゥルース)、善や悪、陰謀論とどう付き合い、向き合うか。
ヒントは古来、思想家たちが探究してきた懐疑=判断保留の哲学にある。
古代ギリシアで興った懐疑論は、ルネサンス期に再発見され、近代にデカルトやヒュームらが展開し、ウィトゲンシュタイン以降、新しく花を開く。
2500年の軌跡から人間の思考の落とし穴を知り、心の平安にいたる手引書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
逆丸カツハ
33
良書であった。生活に戻るよう諭すウィトゲンシュタインの話に落ち着いた。しかし、例えばマルクスのような論者からすれば、生活世界そのものが宙に浮いてしまっていると言うかもしれない。生活に戻る、生活を批判する、そのループが必要なのだろうなぁ。2026/04/15
∃.狂茶党
26
第四章が面白い。 それまでの、懐疑論の歴史が、前提となるので、ここだけきり離すわけにはいかないが、一つの結論めいたものが述べられています。 第五章は、実用編。 この本は、仏教の考えは取り入れてないものの、それに近しい領域に触れる。 すなわち、いかに生きるか。 「ものみなむなしあだなれや、水面の月に幻灯籠、幻のみと説きたもう」 これは、浄土真宗の教えだが、もう少し現実肯定的です。2026/03/05
サケ太
17
様々な考え方が知れて面白い。懐疑論。個人的にはあまり馴染みのない言葉であったものの、「胡蝶の夢」、「水槽の中の脳」といった例はわかりやすかった。疑いを持つということの意味。様々な懐疑主義。陰謀論の端緒というべき、過激な懐疑論。性急さという、治療すべき病い。恐れをなくすための、思考と考察。興味深い1冊だった。2026/02/28
ウォーカー
7
懐疑論ないし懐疑主義の歴史や内容、現代的な意義が語られる。古代懐疑主義とデカルト懐疑論の違い、モンテーニュ、ヒューム、ヴィトゲンシュタインの懐疑主義の紹介は興味深かった。懐疑(スケプシス)はもとは考察・吟味の意味だが、性急に物事を決めない判断保留の態度につながる。屁理屈っぽさや受動的な印象もあるが、探究と考察を続ける姿勢、アタラクシア(平静な心・不動心)の境地、「高い場所」や梯子との喩え、治療的と建設的の対比、生活に習熟するとの指摘は魅力的に感じた。そのエッセンスは自分の中でも大切にしていきたいと思った。2026/03/30
iwasabi47
6
古代懐疑論からモンテスキュー・デカルトを経てウィトゲンシュタインへ繋がっていきます。 「世界像」「生活形式」だの出てきます。 “無責任”な懐疑から遠ざかる。2026/03/02
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