傷つきやすいものたち

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傷つきやすいものたち

  • ISBN:9784093567589

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内容説明

ストレーガ賞W受賞の傑作ヒューマンドラマ。

遠くへ去った親友。傷を抱えた娘。あのときなぜ私は…。
語り手の後悔とレジリエンスの物語に心揺さぶられた。
――中島京子さん(作家)

奪われた尊厳を、私たちの手に取り戻す。
襲いかかる不条理に対し、女性たちが自分らしく息ができる場所を探していく、静かで峻烈な抵抗の物語。
――辻愛沙子さん(株式会社arca CEO | Creative Director)

こんな物語に出くわすから読書はやめられないのだ。
この一作から世界文学の広さと大きさを思い知り、胸が震えた。
――間室道子さん(書評家、代官山 蔦屋書店 文学コンシェルジュ)

イタリア文学賞の最高峰ストレーガ賞+同賞ヤング部門賞W受賞!

 ルチアは故郷の山間の町に暮らしている。夫は単身赴任で家を出たままで、老父が暮らす近所の実家を時々訪れる日々。都市封鎖でミラノの大学から戻ってきた娘は部屋に引き籠もったままだ。ある日、ルチアは父親から土地を継げと持ちかけられる。その土地はかつて、今も町に影を落とす忌まわしい事件が起きた場所だった。ルチアは封印していた記憶と向き合うことに――。
 すべての人間の弱さを力強く描いた、感動の人生賛歌。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

33
田舎で暮らし、凄惨な事件によって激変してしまった人々の繊細な心情を、穏やか且つ気迫のこもった筆致で描き上げたイタリア文学の秀作。良い小説だとは思う。ただ、イタリア最高の文学賞として名高い「ストレーガ賞」受賞作と聞くと「そこまでだったか?」との疑問符がついてしまったのも確かだ。前作の『戻ってきた娘』もあまり好きではないので単純に作家との相性が良くないのかもしれない。2026/03/01

にゃにゃころ

23
タイトルに惹かれて。イタリア文学最高峰ストレーガ賞とヤング賞をW受賞した小説とのこと。イタリア文学は初。ルチアの娘に対する気持ちがまんま自分で、共感したり、切なくなったり。子どもの悩みって、本当にずしんときて、苦しいんだよね。同じような辛い体験をしながらも、ゆっくり癒されるのを待てない気持ちもわかる。ルチアの親友ドラリーチェの巻き込まれた事件は、現実の事件をモチーフにしているとのことで、どの国でも女性が暴力の対象となるのは同じ。淡々と書かれているけど、K文学に通じるような繊細さで胸に迫る。良い本に出会えた2026/05/03

おだまん

19
子どもが心配な親の気持ちが痛いほど分かってきゅん、となる。コロナ禍の閉塞感の中、ミステリー要素も織り込み、がんじがらめになった登場人物たちの過去の人間関係をひとつひとつほぐしていき、未来に向かっていく物語。人生につながる「山」の描写が印象的でした。2026/03/10

練りようかん

15
表紙&訳者きっかけ。イタリアの田舎で暮らす主人公。山・森・草原と眼前に広がる景色は自然豊か。しかし山の一部の生前贈与を希望する老父と拒否する主人公には荒廃した空気が流れ、進学先のミラノから帰省した娘は引きこもり状態で信頼関係に対する貧しさが世代間継承している印象だ。企み通り名義変更に成功した老父には嫌悪感しかなく、過去の殺人事件に遡ると土地の人々を含むたくさんの弱さ、受けた傷が苦しいけれどとても引き込まれた。ジェンダー暴力が女を男をも、もう二度と元には戻れない精神にする。巧みな構成で余韻が深い作品だった。2026/04/25

アヴォカド

12
『戻ってきた娘』もよかったが、これもよかった。愛憎こもごもが入り混じった母と娘(或いは父と娘)の複雑な感情のひだを、それはもう丁寧に掬い上げる。またしても、関口英子訳にハズレなし、であった。2026/02/26

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