講談社現代新書<br> 生命とは何か 溶けていく「個体」の境界線

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講談社現代新書
生命とは何か 溶けていく「個体」の境界線

  • 著者名:中屋敷均【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 講談社(2026/02発売)
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  • ISBN:9784065429983

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内容説明

「わたし」の中に無数の生命が潜んでいる。あなたの中の「他者」とは何か? 異なる生命体の共存と融合が形作る「生命」。最新研究でわかった「驚きの生命観」

中江有里さん(女優)絶賛
生物は独りでは生きられない。
「他者」とつながり、体の内の「内なる下界」に 生かされ、長い時を重ねて私はここに居ると感じ入った。


「はじめに」より
本書が描く生命の姿は、複合体としての実在である。「わたし」の中には、実は多くの生命体が複合体として存在している。それは遺伝子という意味でも、細胞内小器官(オルガネラ)という意味でも、また生物種の共生体という意味でもそうである。どこに区切りがあり、どこからが「わたし」で、どこからが「あなた」なのか、その境界さえ判然としないものも少なくない。生命は合体し、新たな形の生命を生んでいく。「あなた」と「わたし」は混在しており、そしてその合体は、時に物理的な「わたし」だけでなく、「意識」や「心」としての「わたし」にさえ影響を及ぼしている。

「あなたはだれ?」

本書を読み終えた時、その問いかけに、果たしてあなたはどう答えるだろうか?

第32回科学出版講談社賞受賞作家が描く「驚くべき生物たちの姿」

読み始めたらとまらない
ビックリ仰天のエピソード満載

●オオカミを群れのリーダーにするトキソプラズマ原虫
●ウシはウシだけでは ウシになれない?
●腸内細菌の移植で性格が変わる! 便移植で臆病なマウスが活発なマウスに
●光合成生物を取り込んだ生物を、さらに取り込んだ生物をさらに取り込む…葉緑体を巡る驚きの共生マトリョーシカ
●私たちの皮膚を守る保湿成分の生成にウイルス由来の遺伝子が関わっていた
●カマキリを「入水自殺」させる寄生者ハリガネムシの恐るべき宿主操作術
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

りょうみや

20
細菌や植物は遺伝子レベルで融合するし、森全体が一つの繋がった植物だったりと、個体の境界というのは本当に曖昧。人間だってウイルス感染で遺伝子は変化するし、腸内細菌の状態や寄生虫の感染によって性格も変化して、どこまで本当の自分なのかはわからない。様々な事例が取り上げられていて生物の読み物としても純粋に面白いし、生命とは自分とは哲学的な問いに対しても考えさせられる内容。著者の他の本も読んでみたくなった。2026/08/09

武井 康則

13
人類の3人に1人は感染しているらしいトキソプラズマはドーパミンを分泌させるので、人は積極的になり人々から信頼され頼られる。その結果、人を集め、菌はより多くの人に感染できる。腸内フローラとかミトコンドリア、葉緑素まで、もとは外からの生物だった。寄生生物の中には自分の遺伝子を削って身軽になり、代わりに宿主の遺伝子を取り込むものもいる。中から操作するのではなく、一体化しているので寄生生物が乗っ取っているようなものになっている。2026/04/01

不純文學交遊録

11
生命とは何か…大上段に構えたタイトルだが、本書の主旨を一言で表すなら、生命にとって「個体」とは何かである。動物の行動を操るトキソプラズマ原虫、草食動物と腸内細菌の共生、ウイルスが運ぶ遺伝情報など興味深いトピックを次々と繰り出し、我々が当たり前だと考えている生命の「個体」という概念に揺さぶりをかける。世の中には積極的な人もいれば慎重な人もいる。それは自分の意志だけではなく、遺伝子や体内の微生物からの影響を受けている。双方のタイプがいるからこそ人類は今日まで生き残ってこれたのだろう。2026/08/24

nagata

10
刺激な生物学の講義のようでいて、その実精神的な意味合いも色濃く残った印象。40億年弱の歴史の中で声明を紡いでいく中で、他と隔絶した個体という存在ではなく、つねに他を受け入れ、新しく生まれ変わったものが他に受け入れられる中でまた変容していく。そんな生命のありようを鮮やかに映し出してくれたように思う。2026/05/04

こだまやま

10
盗葉緑体、ゲノム退縮、様々な形で合体する生物の解説が面白い。生きている間だけが孤独、みたいなことを誰かが言っていた気がするが、これだけ境界の不確かな生物世界の中で、ひとり自我を感じている人間を悲しく感じる。 脳の作りだした自我ではなくて、自己複製を目的とする遺伝子だけが生物を生物たらしめるもっとも確かなもののようだが、何が遺伝子をそう行動づけるのだろうと考えると、堂々巡り。 ほんと生物はなぜ増え続けたいのだろう。2026/04/03

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