内容説明
「派遣で死者を弔う仕事」
喪主に聞かせられない
業界の恥部と、僧侶のフトコロ事情
――葬式しなくちゃいけませんか?
私は東北地方某県に存する東法院の住職だ。東法院は今から250年ほど前、江戸時代中期に創建された寺院で、先代住職から代替わりしてすでに20年以上が経ち、私は還暦をすぎた。
このように自己紹介をすれば、たいそうな宗教家のように思う人がいるかもしれないが、現在の私は派遣僧侶としてどうにか暮らしを立てている。
派遣の依頼を受け、現地に赴き、布施を受け取り、導師を務め、経をあげる。後日、受け取った布施の中から、依頼元の派遣会社に手数料を振り込む。
これが私の日常であり、本書は派遣僧侶という一般の方には耳慣れないであろう職業に就いている私の体験を赤裸々につづったものである。
本書では、派遣僧侶業界にとどまらず、仏教界や宗門の内情にも触れながら、奇妙でおかしなこの世界の全貌を明らかにしたい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちさと
33
派遣僧侶というお仕事、しかも派遣元がお布施から取る手数料が驚きの6割!知らないことだらけ目から鱗の1冊だった。面白くて一気読み。本書は、サラリーマン経て、ひょんなご縁から跡継ぎのいない寺院住職になるも、檀家激減で都内の派遣僧侶として働くことになった松谷さんのなむなむ日記。なかなか生活は苦しそうだが、そこは「空の真理」追究者。作者は生活のために他宗派の僧侶のふりをしてお経をあげることもあるらしいが、個人的に嫌悪感は全くない。適当な外人をバイトで雇うキリスト教系結婚式より全然いい。爽やかなあとがきも好印象。2026/04/01
たらお
18
生計を立てるための派遣僧侶。理由は、檀家数の激減。長男が後を継ぐという価値観がなくなり、子どもたちが都市部に出てしまうと墓じまいをせざるを得なくなること。そして驚くべきは、コンビニの数(57000)よりお寺の数(77000)の方が多いこと。また、簡易的な葬儀を手配するネット業者が増えたことや明瞭会計であることから、そちらから手配する家も増えているのだろう。お寺の生計維持には檀家が200~300必要。満たなければ副業も視野に入ってくる。時代の流れや価値観の変化に対応しきれない僧侶の立場を考えさせられる。2026/04/25
柊子
16
実家は真言宗、婚家は浄土宗だ。仏事を疎かにしない両親を見て育ったので、結婚後、義父母が仏事にいい加減で驚いた。まあ、長男嫁としては、楽ちんだったけど。3年前、義母が他界した時、息子たちが「一日葬にする」と住職に告げたのに「故人のためには通夜と告別式が必要」などと諭され、結局従来の形に。一日葬だと、入るお金が半分になってしまうから、住職、必死だったのだろうな。2026/05/20
カメハメハダイオーイカ
13
今回の◯◯日記は葬式坊主の話。本来は実寺の住職なんだけど、檀家が減りすぎて月参りや葬儀のお布施だけではたちゆかなくなり坊主派遣会社に登録し単発の葬式の謝礼を生活の糧にしているんだとか。でもその派遣会社、お布施の6〜7割を手数料としてピンハネするというから驚き。昨今は葬式を簡略化する風潮があり収入は減少の一途で厳しい状況らしい。ただ生活のため派遣坊主をやってるとは言え、最終章では『祖霊の供養は生きている者たちにこそ必要で、人生を意味づけるものであること』などと宗教者としての矜持を示されていてなんかホッとした2026/04/19
funuu
13
地方の寺の現実。 人口減少と高齢化で檀家の減少。 檀家の経済力の衰退。 東北の寺の維持と生活のため東京で葬式の派遣坊主。 小さなお葬式という坊主派遣業の派遣手数料が6割。 葬儀も減り小さなお葬式から法要セールスを指示される。 昭和54年頃から派手な葬儀が流行った。 年配者の親戚は葬式評論家ばかりだったな。 その年配者で長い生きしたのは家族葬。 葬儀屋も昔は形式ばかり言った。 それの反動もある。 寺の衰退。 親鸞も死んだ鴨川に流せと遺言。 守らななかった遺族が本願寺子孫。 蓮如等。 2026/02/15




