内容説明
X大学ミス研の夏合宿の舞台は、建築家・黒澤泰洋が忽然と姿を消した無人島。島には建設を中断された、奇妙な館の基礎部分だけが残されていた。到着早々、本土との唯一の連絡手段である船が炎上、完全に孤立する。飢えと渇きで衰弱していくなか、生き延びようと策を講じるが、ひとり、またひとりと不可解な死体となって発見される――。絶望のクローズドサークル。生き残るために必要なのは、サバイバル能力かミステリの法則か!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ア・トイロッテ(マリポーサとも言う)(各短編の評価はコメントで)
22
★★★☆7 ミステリとしての読み応えは前作以上だったと思う。これまでの館ミステリを進化させて「館のない館ミステリ」にチャレンジしているのは凄いし、それに応えるだけの出来になっていると感じた。作品の真相を支えるすべての正体へのヒントが少なすぎて、後半で唐突に現れた印象だったが、真相のインパクトは大きい。とくにホワイダニットが印象的で、前作でもそうだったように、著者の性癖なのか女性観なのか気になる内容だった。2026/03/08
よるのもち
15
館ミステリも行き着くところまで行って、とうとう「館がない」という状況に笑。 どういうこと?と思い読み進めたのですが、館ものへのオマージュと遊び心に溢れた佳作です!ホワイダニットの部分が特に好みど真ん中でテンションが上がってしまいました!面白かった。2026/03/08
沙智
9
水も食糧もない孤島が舞台であり、灼けつく太陽の日差しや喉が渇ききった感覚が非常に生々しく書かれていて、極限状況の切迫感がこれでもかと伝わってきた。後半でトンデモ推理が炸裂するのでこれが真の解だったら流石にバカミスでは…と不安になっていたが、いやそんなわけないでしょと突き放されて安心と笑いが同時にきた。それにしても作中で登場人物作のミステリに「人間が書けていない」という批判をする場面が挟まるのはなんというか度胸があるなと思う(本作の人間の書き方に不満があるという意味ではなく)2026/03/16
geshi
8
館ものラッシュの中で未完成という異色で差別化を図ろうとしたのだろうが、ミステリとしての完成度がいまいち。水も食料もないサバイバルの危機感に加えて仲間が一人ずつ不可解な死を遂げていって、精神的な追い込まれ方はかなりハード。ただし、あまりに状況が切羽詰まっているので、「事件の検証をしている場合ではない」と議論が宙に浮いてしまう。偽の推理はもうちょっとどうにかできなかったか。どんでん返しやホワイダニットの意外性は面白いが、情報の出し方が唐突すぎたり、急にキャラが変容したり、納得して飲み込むにはガタガタしすぎ。2026/03/29
maxseki
8
SNSで少し話題になっていた孤島ミステリ。飲み水すらなく、いつまで生き延びられるかわからない状況下で発生する殺人事件。真犯人はもちろん、なぜ今ここで殺す必要があるのか?に興味を惹かれる。面白かったのだが、小説というよりも、長い推理クイズを読んでいるような感覚。現実味に乏しかった。序盤に「人間が描けていない」というセリフが出てくるところを見ると、もしかするとそれが狙いなのかもしれない...!?2026/03/25




