講談社選書メチエ<br> ローマ人の心 古代帝国の実像に迫る

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講談社選書メチエ
ローマ人の心 古代帝国の実像に迫る

  • 著者名:南川高志【著】
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 講談社(2026/02発売)
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  • ISBN:9784065420652

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内容説明

「人類が最も幸福だった時代」と後世の歴史家に称された、2世紀のローマ帝国。
その最盛期に生きた人々が切実に願っていたのは、愛する家族に囲まれ仕事に誇りをもち、幸せに生きたことを、後の世に記憶してもらうことだった。
政治史を中心としてきた著者が、帝国エリートはもちろん、市井の人々や被征服地の民に至るまで、古代人の「思い」に迫る。広大なローマ帝国の統合を支えたのは、彼らのどのような「心」だったのか。
新たな視点から浮かび上がる、巨大帝国の知られざる素顔。

18世紀の歴史家エドワード・ギボンは、『ローマ帝国衰亡史』のなかで、2世紀のローマ帝国を「人類が最も幸福だった時代」と評した。
「ローマの平和」と呼ばれる時期に入り、帝国の版図が最大となったこの時代、人々は珍味に満ちた饗宴を楽しみ、剣闘士の戦いに熱狂し、公共浴場の快適さを味わいながら、満ち足りた日々を送っていた――本当にそうだったのだろうか。
帝国の基本構造、ローマ人の一日、そして一生などに始まり、小プリニウスやタキトゥスをはじめとする帝国エリートはもちろん、奴隷や戦争の結果征服された土地である属州の民ににいたるまで、彼らがいかなる思いで帝国を生きたのかに迫る。
最盛期の帝国はまた、無数の碑銘が死者に捧げられた帝国でもあった。碑銘は広く人々に開かれた表現の場であり、誰もがそれを立てて、自ら、あるいは愛する者が、家族に囲まれ、仕事に誇りをもって幸せに生きたことを後世に伝えようとした。その思いは、老若男女を問わず、帝国のエリートから市井の人々、さらに被征服地である属州の民にまで共有されていた。この古代人の心こそが、広大な帝国を結びつける力だった……!
政治史を中心に研究を重ねてきた著者が、新たな視点から描き出す巨大帝国の内なる世界。

【本書の内容】
序 章 ローマ人の心を碑銘に読む
第1章 ローマ人はどんな世界に生きていたのか
一 ローマ国家の歴史/二 ローマ社会の仕組み/三 ローマ市民の「一日」/四 ローマ市民の「一生」
第2章 帝国エリートたちの生きざま
一 プリニウスの生き方/ 二 元老院議員の理念と生活様式/三 タキトゥスの考え/四 ローマ皇帝の下で生きること
第3章 生と死から見る家族の肖像
一 家族の形とつながり/二 死の習俗と家族/三 家族の外の世界
第4章 属州の人々の心
一 被征服地の変化と住民の心/二 属州支配の進展/三 支配に加わる人々と抗う人々
第5章 平穏な帝国の暮らし
一 平穏な時代のガリア/二 ガリア住民の信仰/三 墓碑や記念碑に見えるアイデンティティと生き方/四 構築された新しいアイデンティティ
終 章 帝国の危機とローマ人の心

目次

プロローグ
序 章 ローマ人の心を碑銘に読む
第1章 ローマ人はどんな世界に生きていたのか
一 ローマ国家の歴史/二 ローマ社会の仕組み/三 ローマ市民の「一日」/四 ローマ市民の「一生」
第2章 帝国エリートたちの生きざま
一 プリニウスの生き方/ 二 元老院議員の理念と生活様式/三 タキトゥスの考え/四 ローマ皇帝の下で生きること
第3章 生と死から見る家族の肖像
一 家族の形とつながり/二 死の習俗と家族/三 家族の外の世界
第4章 属州の人々の心
一 被征服地の変化と住民の心/二 属州支配の進展/三 支配に加わる人々と抗う人々
第5章 平穏な帝国の暮らし
一 平穏な時代のガリア/二 ガリア住民の信仰/三 墓碑や記念碑に見えるアイデンティティと生き方/四 構築された新しいアイデンティティ
終 章 帝国の危機とローマ人の心
エピローグ
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ピオリーヌ

16
2026年の刊。念願の南川先生の新刊とあってとても楽しく読めた。ローマ帝国史の研究を長らく行ってきた筆者が、帝国の生きた住民の「心」を通じて真の歴史像を構築しようという意欲的な挑戦ともいえる一冊。帝国エリートたちの生きざまとして、プリニウス、タキトゥスが取り上げられる。似たような状況下で生きた二人であるが、プリニウスは、政治・軍事での活躍ではなく、文学作品や墓・記念物で「記憶」を留めようと努力した。タキトゥスは、政治エリートは謙虚な態度をとり、自らの評価は後世の人々に委ねるのが良いと2026/05/19

さとうしん

15
最盛期のローマ帝国に生きた人々の心のありようを彼ら自身が残した碑文から読み解く心性史・感情史的試み。当時のローマ帝国は死者を記念する碑文が多く作られた「記憶の帝国」であったという。しかしそれらの碑文も定型句に沿ったものが多々見られるというのが面白い。そして議論は征服地であるガリア地域の住民のアイデンティティ、自分たちはローマ人かガリア人か、あるいはその中間・両方か?といった問題や、「2世紀の危機」をめぐる「古代末期」の時代区分の問題にもおよぶ。感情史・心性史のアプローチの一例として、話の広がりが面白い。2026/05/29

ジュンジュン

13
「死や死後に対する考え方は、その人物の生き方と結びついているものだ」(プロローグより)。なら、最盛期のローマ帝国(1,2世紀)を生きた人々の実像も、墓や顕彰碑などの碑銘から窺えるのではないか?本書はそんなローマ人の「心」を探求する試み。無理やろと思いながら読み進めていくうちに、おぼろげながら浮かび上がるのは、祖国や家族への愛、仕事、死後の安寧等々、僕達が思う「当たり前」だった。著者の筆にかかると、遥か昔のローマ人がグッと近づいてくる。2026/04/20

MUNEKAZ

12
哲学者や政治家、皇帝たちではなく「普通の」ローマ人の心に迫るというのは、なかなか挑戦的な試みだと思う。当然、普通の人たちは後世に残るような著作もなければ、日記も無いので、墓に刻まれた碑文の解析がメインとなり、なんだかモヤモヤした外堀だけを埋めたような読後感。従来の方法だとここまでが限界で、やはりAIとかに悉皆的に解析させていくのが、これからは必要なんでしょうか。ガリアに暮らす属州民のアイデンティティが、属州と帝国の両方にまたがっているというのは、近代の植民地エリートを彷彿として面白い。2026/06/19

Go Extreme

2
1.史料:碑銘(墓碑/記念碑) 老若男女+エリート+属州民:死者へ捧げる表現の場。家族への愛+仕事の誇り=幸せの記憶 2.世界と一生 階級社会:ローマ市民⇔被征服民。ローマの平和+公共浴場+剣闘士:共通の生活様式。家族の形+生と死の習俗 3.多層的な「思い」 帝国エリート:元老院の理念:皇帝の下で生きる 市井の人々/奴隷:日々の幸せ:伝承への願い 属州の民:被征服の心:皇帝を注視 4.「心」が結ぶ帝国 行政/法を超えた「共有された内面の統合」=巨大帝国の知られざる素顔。古代人の心こそが統合力2026/04/12

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