内容説明
それでも、コーヒーは今日もうまい。
松尾純一郎、57歳。
大手ゼネコンを早期退職して、現在無職。妻子はあるが、大学二年生の娘・亜里砂が暮らすアパートへ妻の亜希子が移り住んで約半年、現在は別居中だ。
再就職のあてはないし、これといった趣味もない日々の中、ふらりと喫茶店に入る。コーヒーとタマゴサンドを味わい、せっかくだからもう一軒と歩きながら思いついた。
趣味は「喫茶店、それも純喫茶巡り」にしよう。
東銀座、新橋、学芸大学、アメ横、渋谷、池袋、京都──
「おいしいなあ」
「この味、この味」
コーヒーとその店の看板の味を楽しみながら各地を巡る純一郎には、苦い過去がある。妻の反対を押し切り、退職金を注ぎ込んで始めた喫茶店を半年で潰したのだ。
たくさんの問題を抱えながら、男は今日も喫茶店へ向かう。閉ざされた夢の扉は再び開かれるのか? 滋味深いグルメ×老後×働き方小説。
解説は、編集者の岡本仁氏。
※この作品は過去に単行本として配信されていた『喫茶おじさん』 の文庫版となります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
at-sushi@進め進め魂ごと
49
離婚と再婚歴があり、妻の反対を押し切って早期退職し喫茶店を開業するも退職金の半分を溶かして失敗。友人や肉親など会う人皆から「あなたは何も分かっていない」と揶揄されるお人よしなポンコツオヤジ純一郎。 そんな彼が再起を目指し様老舗喫茶店を巡り珈琲とスイーツを食べまくる糖尿病待ったなしな「孤独のグルメ」。 ほろ苦さと甘さ加減がちょうど良いブレンド珈琲のような味わいの物語(←うまいこと言った感)2026/02/21
shinchan
26
原田ひ香さん、2作品目です。『お父さんって、本当に何もわかっていない』実に強烈なお言葉でございますなぁ!私、今のところ、妻にも子供にも心のなかでは思っているかも知れないがまだ言われていない。登場人物の女性様達厳し過ぎてかなり怖い!主人公のお父さん、けっこういい人だと思いますが、、、、、、。2026/02/20
ベローチェのひととき
18
妻の本棚から借りてきた本。12編からなる連作短編集。主人公は57歳の松尾純一郎。純一郎は大手ゼネコンを早期退職し、妻の反対を押し切って喫茶店を始めたが半年で潰してしまう。失意の中で喫茶店巡りを行うという物語。1編で2つの喫茶店が出てくる。有名店ばかりなので喫茶店巡りを齧った人はほぼ想像できる店ばかりである。出てくるコーヒーやデザートが美味しそうで行きたくなった。2026/02/20
みきすけぶんぶん
9
面白かった。何もわかっていないといわれる主人公だが、それを言う人々は、半分は自分に向けてその言葉を言っていたのかも、と思ったところも・・・。最後の展開は、予感はあったものの、意外であった。しかし、とにかく主人公が喫茶店に行きまくるので、胃袋がつかれそう・・・などと気をまわしてしまった。喫茶店の描写はとてもよく、今後カフェや喫茶に行ったときには自分の目線が変わりそうな予感。2026/02/26
陽ちゃん
8
早期退職して始めた喫茶店を半年で潰してしまった純一郎が、純喫茶巡りを始めてからの12ヶ月が、別居中の妻や娘とのやり取り等と絡めて描かれていて、かなり杜撰な金銭感覚の純一郎にちょっとイラッとしました。喫茶店をはしごして、しかも其々のお店でフードまで食べちゃうなんて⋯。いや、むちゃくちゃ美味しそうなんですけれども。実在のお店のようなので、行ってみたいですが大阪からは遠いなぁ。京都で取り上げられていたお店には行っていますが、いつもブラックで頼んでいるので、次はお店オススメのお砂糖ミルク入りを試してみようかな。2026/03/08




