内容説明
解散した男性アイドルグループの一員、南田蒼太が何者かに殺された。北海道Y市の廃ホテルで、めった刺しの遺体で発見されたのだった。メディアは騒ぎ立て、警察は地道な捜査を開始する。事件当夜に南田と会った同じ職場のパート女性、グループの元メンバーたち、十代で孤児となった南田を引き取った伯母とその娘……。誰もが昏い秘密を抱えるなか、驚愕のラストが待ち受ける傑作ミステリ。(解説・齋藤明里)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
147
妄想と憶測の世界。どこまで行っても嚙み合わず、独りよがりの思い込み。自分だけの多幸感ここに極めりって感じ。こういうの描かせたら巧すぎる「まさきとしか」作者名だけで気になっちゃうのに、ぞくぞくするタイトルに読む前からノックアウト寸前。犯人捜しも気になりつつ、出るわ出るわの変な人達にあんぐり。犯人はそうだったの?って驚きは低め。全編通して殺された元アイドル・南田蒼太が掴めない気持ち悪さ。2026/03/24
bunmei
127
意味ありげなタイトルに心魅かれて手に取った。本作の『大好きな人』と言うのは、アイドルグループの一員だったが、グループ解散引退後は、親戚の工場で働いていた南田蒼太。アイドル時代はパッとしなかったが、郷土に戻れば、スターとして持て囃されていた蒼太が、めった刺しで殺され発見される。そして、イヤミスな結末へと向かうまでに、蒼太に関わった者達が『死んでくれてありがとう』と思えた経緯や関係性が語られていく。ラストには物語の根幹を揺るがす2人の女の登場で、蒼太への想いを赤裸々に語り、心の闇の内を照らし出していく。 2026/04/22
タイ子
119
さすが、まさきさん最後の最後まで読ませてくれますね。登場人物が次々出て来るものの、誰もが胸に一物持ってる者たちでキャラが立っているので覚えやすい。元男性アイドルグループの1人が北海道の廃ホテルで殺害される。彼が解散後に勤めていた菓子会社が突然のニュースで大繁盛。聖地巡礼とかで一躍人気観光地に。続いて仲間の一人が自殺。出て来る、出て来る、怪しいヤツラばかりが。ここからが面白くなるまさき劇場。謎を追いながら辿り着いた先に…いた。えっ!こんなところに?!これはわからん。一気読みの面白さ。2026/03/13
yukaring
92
欲望や嫉妬、虚栄心…人間のイヤなところ全部を詰め込んだようなイヤミスの極致。最後まで全く救いのない所が逆に清々しささえ感じさせる。元アイドルの蒼太が心霊スポットで名高い廃ホテルでめった刺しの遺体で見つかる。温厚な愛されキャラだった彼。伯父の会社で真面目に働いていた彼に何が起こったのか?最後の目撃者であるパート女性、元同じグループの男性、死んだ場所を聖地化する女性たちなど彼の死を利用しようとする人々の浅ましさや歪みが強烈でこちらまで引きずり込まれそうになる。そして待ち受ける驚愕の真相、とにかく衝撃的な1冊。2026/03/16
のりすけ
76
亡くなったアイドルについていろんな視点で語られるイヤミス。出てくる方が皆さんイラァっとするタイプ。オカルトっぽい雰囲気も漂わせながら「ほんとにどいつもこいつも…」で先が気になって一気読み。アナウンサーの彼女は痛々しくて笑って気の毒だった。一方向からだけの話を聞いて信じたらあかんのやな、客観的に、そして多角的にロジカルに見て聞いていかないとあかんのやで、と言われてる気がした。2026/07/11
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