内容説明
言語学基盤の研究に加え、英和・和英翻訳の翻訳者、翻訳講師などの経験を基に、英和翻訳に必要な理論や技法を多層的、系統的にわかりやすく説明。著者が40年以上のアメリカ合衆国での在住期間に収集した生の言語データを活用。
■「序文 本書の特徴」より
・英語圏(アメリカ合衆国)在住のバイリンガルの視点
著者の英和・和英翻訳者としての視点のみにとどまらず、英語圏在住のバイリンガルとしてのフレッシュな視点からも英和翻訳を検討しました。
・汎用性
翻訳技術に関して市販されている書籍には、例文を文芸作品から引用し、文芸翻訳用に書かれたものが多いという傾向がありますが、本書は技術、ビジネス、フィクション、およびノンフィクションの各分野から例文を多く引用したことに特色があります。ここに収容した英和翻訳の説明は、産業翻訳、文芸翻訳の両方に活用できます。
・リーダー・フレンドリネス
本書の内容は長年の経験から編み出した著者独自の翻訳理論、その他の翻訳理論、方法論、およびコミュニケーション理論や文化論に基づいた実践技術ですが、いわゆる学術書という形式にはせず、言語学、コミュニケーション学などの専門知識を持たない方でも十分わかるように配慮しました。
・英文和訳過程の系統的説明
翻訳に関するトピックを論理グループごとにまとめ、系統的に説明することを目指しました。
・英文和訳過程の多層的分析
職業としての翻訳は「意訳」です。直訳を越えてどのように意訳するかを、翻訳過程には複数の「層」(表層、深層など)があるという考えに基づいて説明してあります。
目次
●第I部 翻訳の背景知識
第1章 翻訳の基礎知識
1 職業翻訳の種類
2 どの言語からどの言語に翻訳するべきか
3 職業翻訳プロセスの基本的な流れ
4 翻訳と通訳は似ているか
5 イギリス英語、アメリカ英語、国際英語など
6 翻訳者の役割
第2章 日本の英語教育事情と翻訳
1 日本における英語教育の歴史的背景
2 英語教育リソースの背景
3 学校英語および日本語の中の翻訳語
第3章 職業としての翻訳
1 職業としての英和翻訳における英文解釈の位置付け
2 職業翻訳者に要求されるもの
3 職業翻訳に必要なリソース
4 納品形態
5 機械翻訳、CAT、およびAIの進展 vs. 翻訳者
6 英和翻訳の学習方法
●第II部 英和翻訳の原則
第1章 翻訳理論
1 理論、方法、手順
2 翻訳における表層構造と深層構造
3 ことばからイメージへの変換
4 基底構造
5 英和翻訳の3つの原則
第2章 無生物主語
1 英語の無生物主語は日本語の主語になりにくい
2 無生物主語を副詞的表現の日本語にする
3 無生物主語と共に多用される英語動詞
4 「~により」「~によって」は慎重に
5 日本語で無生物主語を使用しても自然である場合
6 無生物主語を処理すべき典型的なケース
第3章 名詞句
1 名詞句内の語順に関する英日の違い
2 名詞の中に動詞を見る
3 名詞の中に形容詞を見る
4 動詞の原形+erの訳し方
5 職業人と職業分野の関係
第4章 順行訳
1 主要名詞を形容する表現に関する英日の違い
2 どのような場合に順行訳を考慮するか
●第III部 品詞レベルで考察する英和翻訳
第1章 冠詞
1 theとa(an)の訳し分け
2 [数量形容詞+名詞]にtheが付く場合、付かない場合
3 冠詞と序数詞
第2章 代名詞
1 人称代名詞の訳し方
2 能ある翻訳者は代名詞をどうするか
3 指示代名詞の訳し方
第3章 数量形容詞
1 数量形容詞を含む主語の訳し方
2 manyの訳としての「多くの~」と「~の多く」の違い
3 主観的数量形容詞と客観的数量形容詞
4 all、each、およびevery
第4章 副詞
1 文修飾の副詞の訳し方
2 文修飾する副詞のリストと使用例
3 英文における副詞の位置
4 原文を書き換えて訳す
5 頻度の副詞
第5章 助動詞
1 未来のイベントが起きる確実性
2 確実性のwillの訳語
3 天気予報で使われる確実性の表現
4 「~でしょう」はいつ使うのか
5 mayとcanの純粋過去形としてのmightとcould
6 may(might)want to… の意味
7 譲歩のmay
8 助動詞の確実性以外の意味
第6章 前置詞
1 動詞を使って訳す
第7章 時の接続詞
1 千変万化するas
2 not ... untilの訳
3 beforeは「後」、afterは「前」?
●第IV部 文レベルで考察する英和翻訳
第1章 比較級、同等比較、最上級
1 比較の対象を明白にする
2 状態変化の動詞を使う
3 比較の対象がはっきり現れていない原文
4 比較の対象が大して重要でない場合
5 「より良い」「より大きい」など
6 同等比較
7 最上級
8 one of the most...、among the most...
第2章 受動態
1 受動態和訳の第1原則
2 受動態和訳の第2原則
3 受動態和訳の第3原則
4 受動態和訳の第4原則
第3章 時制
1 現在形は習慣・反復動作
2 職業の現在形
3 時制の一致
4 完了形
第4章 仮定法
1 if節のない仮定法構文
ほか




