野生のしっそう

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¥2,640
  • 電子書籍

野生のしっそう

  • 著者名:猪瀬浩平
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • ミシマ社(2025/12発売)
  • ポイント 24pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784909394965

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内容説明

知的障害があり自閉症者でもあるが、さまざまな鋭さをもった兄。障害がないとされているが、さまざまないびつさをもった弟(著者)。世間には、この兄と弟を切断する「ものの見方」があたりまえに存在する。

しかし、その分断をすり抜けてしまうある出来事が起こった。
2021年3月、緊急事態宣言の下、兄は突然しっそうする――
どこへ向かったのか? なぜしっそうしたのか?
その道筋を辿りながら見えてきたのは、兄の「たたかわない」術だった。

外なる他者、遠くの他者を扱ってきた文化人類学に、あらたな道を拓く実践の書!
「障害とともにある人類学」から始まり、「内なる他者」を対象とした人類学へと展開する、あたらしい学問のあり方。

装画・挿画 岡田喜之

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

108
兄は何度も失踪した。大声をあげて突然疾走し、どこか遠くでよく警察に保護された。財布も携帯も持たないままに。知的障害者と社会から烙印を押された兄は父と共に社会を変えようと働きかけた。本書は弟である人類学者の著者から見た兄の姿であり、しっそうとは兄の失踪と疾走のあわいで、そこから想起される様々な思想である。レヴィ=ストロース「野生の思考」をはじめとして、村上春樹や宮沢賢治、金子光晴などの小説家の引用もあり、兄とともに考え、障害の文化人類学をテーマとしてきた著者のエッセイ風の物語でした。2024/03/19

けんとまん1007

51
一人の人、人間としての存在。その間に横たわるものは、一体、何だろう。人と人の繋がりについて、希薄化が言われ、一方で狭い範囲での濃密さが言われる。また、その重要が喧伝あれることもある。ただ、立ち止まって考えてみると、深さが感じられないことが多い。そこには、時間の流れ、しかも、今この瞬間という指向性があるのではと思う。まずは、時間軸の置き方を見つめ直すことから始める。タイトルの「しっそう」が失踪であり、疾走であるということが、広がりを見出すことになる。2024/04/19

@nk

51
例えば電車の中で、誰かに付き添われながら大声をあげて動き回る人を見かける。その車輌に3歳になった息子と私が居合わせる。息子が目を見張りながら私に「あの人はどうしたの?」と問いかけたとき、「 “障害者” という人たちがいてね」という説明から始めてしまっていたように思う。本書を読むまでは。/著者の兄は唐突に走り出していなくなる。その「しっそう」にまつわる出来事や出逢い、考察が綴られていた。コロナ禍が浮き彫りにしたもの。多様性は必ずしも受け入れるだけのものではないこと。そしてあらゆる事件や運動についてなど、⇒2024/04/11

ほう

26
NHK「こころの時代」の放送を見て人類学者の著者を知った。自閉症である兄との関わり、そこから繋がった人びととの関わりが記されている。失踪または疾走という観点から起こるエピソード、考えかたの捉えかたなどが胸に響く。「コロナウイルス感染によって逼迫する医療や介護の現場において、障害のある人やその家族のほうが我慢を強いられる事が圧倒的に多かった」など、随所にとても大事な事が書かれているように思う。時間を置いてまた読んでみたい。2025/10/25

チェアー

8
この本は、人類学の本とは到底思えない。というか、そんなくくりは必要ない。ただ失踪する人がいて、それを見ていると言う本だ。そして、自分はなぜ疾走しないのかと問い返す本だ。 2024/01/23

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