内容説明
市場、国家、社会...
断絶した世界が、「つながり」を取り戻す。
その可能性を、「構築人類学」という新たな学問手法で追求。
強固な制度のなかにスキマをつくる力は、「うしろめたさ」にある!
「批判」ではなく「再構築」をすることで、新たな時代の可能性が生まれる。
京都大学総長・山極壽一氏推薦!
世の中どこかおかしい。なんだか窮屈だ。そう感じる人は多いと思う。でも、どうしたらなにかが変わるのか、どこから手をつけたらいいのか、さっぱりわからない。国家とか、市場とか、巨大なシステムを前に、ただ立ちつくすしかないのか。(略)この本では、ぼくらの生きる世界がどうやって成り立っているのか、その見取り図を描きながら、その「もやもや」に向き合ってみようと思う。
――「はじめに」より
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
92
当たり前と思われていること、思ってしまっていること。果たして、そうなのだろうか?という問いかけがある。この国は、あらゆるリスク、繋がりを覆い隠そうとして、かなりの部分を他人任せにしてしまっている。自分で何かやろうとすると、意外なくらいできないことが多い。そんな在り様を、少しずらして切り取って考えてみる。そこにあるのが、格差・違いであり、そこからくる「うしろめたさ」だ。それが、次のアクションのスタートになりうる。成程と納得する一方、ずらして観るということが難しい。しかし、大きな可能性を感じる。2020/05/27
どんぐり
69
構築人類学を提唱する著者のエチオピアのフィールドワーク。20年近く関わってきたエチオピアの人びとの「ずれ」や「違和感」を手がかりにどうやって社会を構築しているのか、どうしたらその社会を構築し直せるのかという問いから、「商品交換(市場)/贈与(社会)/再分配(国家)の境界を揺るがし、越境を促す」思考の探求は、多様性とイノベーションの話と、なんか似ているな。2018/01/20
future4227
63
2019年中学入試において開成、早稲田実業、海城、豊島岡女子など最上位校で出題された注目の本。世界最貧国と言われるエチオピアの人々の暮らしや国民性から学ぶ人類学。道には物乞いする人で満ち溢れているが、恵む人も多いエチオピア人。一方で物乞いを見なかったことにする金持ちの外国人。この差は何か?人は圧倒的な不公平を目の前に突きつけられると、うしろめたさを感じる。そして何かしなければという思いから贈与をする。つまり、うしろめたさという自責の念が倫理観を高めていくと筆者は言う。贈り物って予想以上に大切だと思った。2019/08/08
アナクマ
56
構築人類学は、ずらし/越境し/組み合わせ/光をあて、世界の再構築を可能にする。例えば「はみだし」や「うしろめたさ」を起点として。◉エチオピアと日本を往復しながら、前半は社会を結ぶ網の目を3つの鍵で解く。【経済】物乞いを目にしたとき、商品交換モードは共感を抑圧する。贈与は共感を増幅する。【感情】人やモノの配置/関係に沿って感情は生まれる。その文脈に寄り添うことでコミュニケーション(自己表現/他者共感)が可能となる。【関係】行為の積み重ねが関係をつくる。だから排除は、わたし/わたしたちの豊かな可能性を狭める→2020/08/29
白玉あずき
55
これはすごい。4,500ページの専門書を数冊読むより、この薄い一冊で簡単に人類学の新しい成果の要点を掴むことができるし、なにより門外漢にもわかりやすくて助かる。ブローデルの引用「資本主義こそが反ー市場である」に一番の衝撃を受けた。前世紀の資本主義vs共産主義という、凝り固まった世界の分類・フレームを小気味よく壊してくれて、なんだか目が開いたというかすっきりしたわ。国家の役割を相対化して考える足場をくれて有難う。我々はどうしたら社会と世界の構築に参加できるのか、批判だけでなく方向性を示しているのがすごくいい2018/06/24




