内容説明
カナダの巨匠、14年ぶりの新作にしてブッカー賞最終候補作続篇
1917年、戦場で瀕死の重傷を負ったジョンは記憶の断片にすがりながら生還する。やがて北ヨークシャーへ戻り写真館を再開するが、写した像に亡霊が現れ始め――夢幻的な語りの断片が紡ぎだす四世代にわたる物語。詩的な文体で記憶と愛を描き出す巨匠の最新長篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
47
雪のように静かに美しく降り積もる言葉の数々を「読む」というよりも「眺めて」いた。削ぎ落され、磨き抜かれているからこそ途轍もない質量を持った文章は、あらゆる意味を持ちすぎているが故に、脳で解釈するよりも先に映像となって浮かび上がる。人々の言動や行動、時空を超えて繋がる関係は、全てを見ていながら、全てを理解したという感覚がまるでない。むしろ、何も考えずただひたすらに見つめ続けていた。表現しづらいが、それでも心を大きく揺さぶられるものがあった。とても稀有な体験。いつか時間があるときに再訪したい。2026/01/23
ぐうぐう
31
ある四世代の百年に及ぶ物語。とはいえ、本作は大河小説ではない。大きな流れを太いストーリーで語るのではなく、断片により四世代が、そして百年が紡がれている。「戦場で、救命いかだの上で、夜の病棟で、語られる物語。カフェでの、朝が来る前に消えてしまう物語。誰かがそばで聞いている。一心に耳を傾けている。あるいは、誰も聞いていない」それが可能なのは、アン・マイクルズの詩的なアプローチと精神によってだ。「思考の手前に、言葉をひとつおき、その言葉を通して、すべてを見ることができる」(つづく)2026/03/10
おだまん
13
現時点今年のベスト。断片で刻まれた100年、4世代の人生の愛と喪失、記憶の物語。美しい詩のような文章でふとしたやりとりに織り込まれ張り巡らされている数々の社会問題。抱擁(held)の示す様々な意味。作品中にはキュリー夫人という実在した人物も出てきますが、パーヴォさんのモデルはあのパーヴォさんかしら?2026/02/15
アヴォカド
11
よかった。素晴らしい。2026/01/27
フランソワーズ
9
四世代、百七十年の年月を静かに沈思黙考するように語る小説。ただし物語を追うよりも、その時々の断片に味わって読んだ方がいいように思う。愛や喪失、無常感やそのほかもろもろのことを、問いかけてくるから。2026/03/29
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