内容説明
武士たるもの、泰平の世にも精進あるべし。磯釣りが「武芸」として奨励されている羽州大泉藩の武士・前原又左衛門は、仕事へのやる気は今ひとつでも釣りには真剣。ある日、藩主が磯釣り中の事故で卒した現場に居合わせたことからお家騒動に巻き込まれる。人情と郷愁、手に汗握る勝負――時代小説の魅力を満喫する痛快作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
146
佐藤 賢一、四作目です。本書は、釣莫迦時代お家騒動記でした。泰平の江戸時代なら、史実として、こういう話もあるのでしょうか❓🎣🎣🎣 https://www.shinchosha.co.jp/book/428005/2026/04/17
タツ フカガワ
79
東北の大泉藩では「武士の嗜み、武用の一助」として釣りを奨励。藩士の前原又左衛門が幼馴染みの山上藤兵衛と磯釣りに出かけた日、十代藩主も近くの磯で釣りをしていたが、高波にのまれて溺死する。その後十三歳の嫡男と十代藩主の異母弟の間で始まった後継争いは、釣りで決着をつけることに。全編これ釣り三昧! 黒鯛、甘鯛、イナダ、サヨリに始まり、全長七尺の正体不明の巨大魚から、遡上する川を間違えた迷い鮭が登場。さらに魚にまつわる料理の数々がとても美味しく描かれるが、後継者選びの釣り対決の盛り上がりがイマイチだったのが残念。2026/06/01
Toshi
47
江戸時代東北の大泉藩では釣りが盛んで、その腕前が武道以上に武士のたしなみとされていた。その釣り中に事故死した藩主の跡継ぎも釣りで決められることとなり、長年の釣り友達である又左衛門と藤兵衛は藩を二分する跡継ぎ争いに巻き込まれる。佐藤賢一氏を読むのは「双頭の鷲」以来で、いつの間にか日本を舞台にした時代物も書いていたんですね。しかもこんなに軽いお話。ストーリーは前述の本筋に又左衛門、藤兵衛両家の婚姻や「O池の滝太郎」まで絡む、アクションコメディーの様相を呈するが、昭和のテレビ時代劇のように安心して読める一作。2026/05/10
kanki
32
江戸時代、羽州大泉藩、武士の努力として釣りを奨励。お世継ぎは誰か、御公儀によるお家断絶のリスク。鮭の氷頭なます。エイの鰭、からげ煮。アンコウのとも和え。美味しそう。妻としては、釣りにのめり込む夫は困るよな。黒鯛釣ってみたい。2026/05/30
Mc6ρ助
25
え〜、佐藤賢一さんが時代小説?しかもお家騒動!?全然文体も違うし〜。いや〜、感嘆符と疑問符がアタマの中をグルグル回っている〜。とはいえ、そこは好物ゆえか、はたまた佐藤さんの筆のなせるワザか、とてもとても面白く読み終えた。視点人物の釣りバカぶりが新鮮と言えば新鮮、とかく陰惨になりがちな闘争(だよね?)を茶化して蹴散らしてくれる。チャンバラ要素は0.1%ほどだったけどこれもまた満足、満足な一冊でありました。2026/04/14
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