内容説明
徳川幕府は旧態を脱しきれずに薩長の志士によって倒され、明治の新政府は開明政策を推進して中央集権の統一国家を建設した――という日本近代の建国神話はどのようにして生み出されたのか。「討幕」と「開国」、「大政奉還」と「版籍奉還」など、名づけに込められた意味を踏まえて建国神話を解体し、十九世紀変革の真相をとらえなおす注目の書。
目次
誤解の契機はふたつ―プロローグ
慶応三年に何が起きたか
「討幕」とは?
徳川家の立場と扱い
大名をなくす
開国の真相
井伊直弼は「開国」論者ではない
天子統仁の攘夷
「攘夷」の正体
条約の勅許
版籍奉還こそ画期
版籍奉還と公議
大名家の解消と藩の設置
廃藩置県は人事異動
武士が消える
ある京都留守居の御一新
新潟県士族として
公債証書の交付
散るや万朶の桜花―エピローグ
あとがき
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
32
「版籍奉還」「廃藩置県」などエポックな歴史政策の詳細が知れる良書。「版籍奉還」は、明治世になって大名家が朝廷直属の組織として「藩」に変化する端緒となった政策。従って、江戸時代を「幕藩体制」と説明する「藩」と言う用語は、厳密に言うと江戸時代には無かった由。「攘夷」の内実も、朝廷が求めていたのは通商条約を破棄し和親条約時までに戻して華夷秩序(日本の方が優れていると考えられる体制/これが「国体の維持」の定義らしい)を維持することを言う。さらに「明治維新」という用語も、じつは昭和初期に使われ始めたと説明。2026/02/23
(ま)
0
版籍奉還という画期 近世史と近代史の断絶を架橋して、討幕・開国という言葉を解体しながら、思い込んでいた藩、士族、家禄等のナラティブを解放して...2026/02/15
SHUE
0
歴史学研究における近世と近代を跨ぐ時代において、両方の時代の史料読めないとわからない事がある、まずこの点を痛感しました。 版籍奉還自体は中学校でも習う事ですが、それが真に何を意味するのか、この事が大人になってよくわかりました。 本の中で封建・郡県って言葉出てきますが、中国の事例をたとえにして物事捉える文化って、日本のある時点までは実際あったんですね。 日本の民主主義や国会議員の制度を考える際、もと雄藩連合から始まっている事、加賀藩屋敷で全大名による今でいう国会もどきが行われた、これ知らなったです、2026/02/11
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