内容説明
米国のトランプ再選、欧州での極右政党の勃興、日本人ファースト……今、世界は自国第一主義に回帰し、民主主義が危機に瀕している。「分断」「対立」「排外」の潮流がなぜ生まれたのか。その原因を世界の戦後政治の政策からひもとき、混迷の時代を乗り越える術を提言。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
102
山口先生の主張は常にブレず一貫している。「民主主義の前提はいかにして崩れたか」として民主主義の変容が分析される。収奪的資本主義が出現し1%が99%を支配する中、99の大衆は共同して1に対抗するのではなく、99の内部でいがみ合い分断を深めてゆく。SNSの登場は、神無き時代の万人祭司主義であり反知性主義の温床となる。著者はいつもリベラルな中道左派の立て直しがカギだと力説するが、日米ともに、組織的自制心と相互的寛容を失ったリーダーを選出するという現実。教養を持つ市民を前提として設計された制度の限界なのだろうか。2026/04/17
よっち
28
今、世界は自国第一主義に回帰し、民主主義が危機に瀕している。「分断」「対立」「排外」の潮流がなぜ生まれたのかをひもとく1冊。本書は戦後民主主義が直面する危機を現代ファシズムという視点から分析し、経済格差の拡大、社会的分断、デマや差別の拡散、歴史修正主義の横行といったファシズムの底流にある閉塞感が積み重なり、人々が「強い指導者」や排他的な共同体にすがりたくなる構図を解き明かしていて、ポピュリズムやソーシャルメディアの対立を煽る言説が理性的な議論を破壊し、民主主義の基盤を揺るがす状況を浮き彫りにしていました。2026/03/03
funuu
7
貧困、格差の広がり、資本主義の矛盾の深刻化は、それ自体として民主主義を破壊しているとまでは言えない。しかし、民主主義で選ばれた政府がそれらの大きな問題に対して果敢に取り組もうとしない現実、それゆえ現状を改善する政策を実現できないという現実は、政治に対する無力感を99の中に蔓延させる。そうなると、人々は政治に参加することの意義を実感できなくなって、政治的無関心が広がり、圧倒的な資金力を持った少数者が ← 左派ワンパターン論理ではある。 やはら 何がピンとこなくなってきた。 左派の凋落だろう 2026/03/05
pppともろー
7
「日本政治がフェイクファシズムに転げ落ちるのか、自由民主主義の枠組を死守できるのか」、明日分かる。怖ろしい結果にならないことを祈るのみ。2026/02/07
バツ丸
1
★★★★。混迷する社会の理解の助けとなる著書だろう。前世紀2つの大戦をきっかけに、先人らが築き上げた自由や平等、民主主義の原理が、一部の政治家及びそれらが駆使するSNS等により壊され、大戦前の時代へと逆行している。SNSによる有権者の劣化の問題は新しきそれと思われがちだが、マスメディアが拡大した100年前に既に同様の指摘がされている点に、人は過去から学ばないという事実を改めて感じずにはいられない。しかし、歴史が示すように、この傾向は世界的人類的に危機をもたらすだけである。そして日本も今、同じ轍を踏んだ。2026/04/08
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