内容説明
すべてを捨て、長い長い旅の末にアフガニスタンから逃れた一家が、オランダで見つけた小さな幸せー1ぴきのウサギがつなぐ愛の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
小説大好き
3
ベストセラーになるような作品ではないと思いますが、結構掘り出し物でした。難民のファミリーアイデンティティのお話なので、ペットを軸に家族の絆が深まる展開になることは想像がつきますが、基本的な筆力が高いためか、わざとらしい盛り上がりを作らずとも説得力がありました。ドワーフラビットのミシュカもとりたてて可愛らしさが強調されるわけではないのに、とっても可愛いんだろうなと伝わってきます。この自然体なトーンも特徴ですが、同時にナラティブな作品であることも特徴で、語りで過去が精算されていくセラピー小説の一面もあります。2025/12/02
きなこ
0
すごくよかった。アフガニスタン難民の少女、ロヤが、オランダに住むことを認められ、ようやく自分の家といえる場所に落ち着く。ミシュカは彼女が飼うことにしたうさぎの名前。うさぎは安住の地を得たことの象徴のような位置づけか。日ごろおだやかに楽しく過ごす家族だが、心にたくさんの悲しみを抱えていることがさりげなく伝わる。このような苦難を抱える人たちがいるということを、押しつけがましくなく伝えてくれる作品。後半ロヤがクラスで発表をする時に涙してしまう場面は胸にぐっとくる。多くの人に読んでほしい。【高学年?YAでも】52025/12/23
しまちゃん
0
アフガニスタンから難民としてオランダの難民申請者センターで居住許可がおりるのに5年かかって、やっと自分たちの家に住むことができたロヤの一家。仲の良い兄弟と動物のドワーフラビット(うさぎ)のミシュカの心温まる物語。ロヤの通う学校のクラスのみんなも心優しくて、素敵な内容です。難民としてのつらい長い旅を得ての自分たちの家で暮らすことの大切さ、難民問題についても考えさせられます。2025/12/17
かはほり
0
アフガニスタンから脱出してオランダにやってきたロア一家。5年間かけてようやくオランダに居住できるようになり、新しい家で生活を始めたところから物語が始まる。飼っている兎が逃げること以外大きな事件はないけど、主人公が、両親や3人の兄たちからとても愛されているので読んでいて安心感がある(先生もクラスメートも良いね。)。そのためか物語のところどころに挟まれた回顧談で、半年にわたる過酷な逃避行の様子がよく伝わった。カラーのすてきな挿絵が物語に良く合っている。2025/11/29




