内容説明
家族も、恋人も、友だちも、永遠には続かないけれど、ともに食卓を囲んだ記憶はいつまでも色褪せない――。彼女との別れがきっかけでできたお弁当仲間、ひとり暮らし初心者の娘に伝授される母のグラタン、コンビニのおでんを分け合ったスイミングの帰り道、夫の前妻が残していったレシピブック。料理はお腹も心も満たしてくれる。大切な人とのかけがえのない時間を綴った心温まる短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
NAOAMI
11
同じ家族、視点の短編がさらに3つの掌編に分かれているという構成。雑誌連載における特殊な字数制限を諸ともせず書きこなすのは流石。しかも一つひとつが秀逸ならば言うことなし。家族・夫婦の在り方。友だち関係、姉妹関係など時の流れ方は様々ながら、時にコロナ禍の停滞を背景に交え、人生の機微が食を通して語られる。多少の鬱屈を抱えながらも決してネガティブにならず前向きに昇華していていく姿勢が好ましい。唯一男性視点の「~料理界」杉田氏の哲学的な一言に大いに納得。ボクも長年料理し続けているからね。共感度がドンズバ過ぎ(笑)。2026/03/02
時代
7
はい、ごちそうさまでした。オレンジページで連載していた連作短編集。全て食事がテーマで、心温まるお話の詰め合わせ。食事の良し悪しは誰と食べるかがウェイトを占めるね○2026/02/12
いっこ
5
家族関係や食生活の多様化という時代背景の下、いくつかの食卓の風景が描かれている。料理キットとかホットプレート料理、卓どんごはんなど、時短・手抜きというと抵抗がある人もいるだろうが、こんな風に紹介されたらやってみようと思う人も多いだろう。「帰り道の時間」では『方舟を燃やす』に出てきたような手抜きしないお母さんが登場。いくつかの章を使って、主人公たちの心の成長を描いているのがいい。2026/02/22
オールド・ボリシェビク
3
雑誌「オレンジページ」に連載された、食事と料理にまつわるお話。短編よりもさらに短いから読みやすさは群を抜く。コロナ禍に連氏が始まったので、当然、「あのころ」の雰囲気を漂わせつつの物語は、だいたい3話でひとつのまとまりとなっていて、家族それぞれの視線が交錯し、複眼的な面白さを持つ。されどまあ、その短さゆえに、物足りなさもあり、もう少しコクが欲しかったことも事実である。2026/02/25
Xi
1
角田さんと料理。それは間違いないに違いない!という確信を持って手に取った「ゆうべの食卓」。派手な料理はない。どちらかという「きのう何食べた?」系の日常の食卓だ。料理はなく食卓がメイン。コロナ禍の出口の見えない閉塞感があった。非常事態というより異常事態だった。それでも、食卓には何がしかの食べるものが並んだ。当たり前が当たり前じゃなくなり、そして、当たり前を取り戻す。食卓を囲むこと。それは家のありようだったり、家族のありようだったりする。2026/02/24




