内容説明
家族も、恋人も、友だちも、永遠には続かないけれど、ともに食卓を囲んだ記憶はいつまでも色褪せない――。彼女との別れがきっかけでできたお弁当仲間、ひとり暮らし初心者の娘に伝授される母のグラタン、コンビニのおでんを分け合ったスイミングの帰り道、夫の前妻が残していったレシピブック。料理はお腹も心も満たしてくれる。大切な人とのかけがえのない時間を綴った心温まる短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
新田新一
59
食べることをテーマにした短編集。1話の「明日の家族」では中年の女性が主人公。夜中にお腹がすいたという娘に、夜食を作り、ある感慨を抱きます。共感したり、ほろりとしたりする傑作が並んでいます。自分たちが住んだ家の解体に立ち会う「私たちのちいさな歴史」から始まる3つの短編には、じーんとしました。一つの家で家族が生活し、年齢を重ねていく重みが温かく描かれています。食事を通して家族は自分たちの絆を深めていくのです。良い本を読んだとしみじみ感じる一冊でした。2026/04/16
カブ
42
誰かと一緒にご飯を食べるっていいなぁ~と思える短編集。お料理ってお腹も心もあったかくしてくれる、大切なものなんだ!さぁ、ご飯食べよ!!2026/04/30
piro
41
『オレンジページ』連載の掌編集。3編ずつ連作になっていて読み易い。食事を通じて家族や人との関わり、そしてその変化が描かれる。誰かと一緒の食事、ひとりの食事。いろいろあるけれど、どの食事も印象的。そして登場人物たちにとっても、その人その時の生活を象徴するような食事は心に残るものなのだろうな。短いながらも所々琴線に触れるストーリーは角田さんならでは。あとがきによると雑誌の特集とリンクしたお話だったようなので、雑誌で読むとまた違った楽しみ方ができるかもしれません。2026/04/04
mayu
33
食事はいつも生活と共にあり思い出とも繋がっている。その食べ物を前にした時に思い出す場所や人がいたりする。料理雑誌の連載で書いていた短編集はまるで誰かの生活の一時を覗いているかの様な気持ちになる。一人の食事や結婚して二人になった時の食事、子供のお弁当に離婚。それぞれにその時の食事があり今がある。私は毎日の献立を考えるのが億劫でならないけれど、そんな食事も明日に繋がっているのだなと思ったり。誰かと一緒に美味しい美味しいと言いながら食事をできる事の幸せを感じさせてくれるような一冊だった。2026/06/15
こみっくま
28
コロナ禍が始まった頃、雑誌オレンジページで連載された食べ物にまつわるショートショート。あとがきによると、連載時、特集された料理レシピとリンクしたお話だったそうで素敵だなと思った。掌編だけどいくつかは連作でリレー的な展開と視点の変化が様々な人の食と人生観を見せてくれる。ほっこりじんわりしつつお腹が空いてくる。最後のお話は胸に迫った。父を送り母を送り自分が老いてゆく・・・何だか未来の自分とシンクロするのかなと思ったが 暗い気分というよりは、誰もが辿る道なんだよ、怖くないよと言われたようで溜飲が下がった。2026/03/26




