内容説明
「だんまり堂」に依頼すれば、願いが叶う?
文や遺言書、迷子の掛札、料理帖。
字を書くことなら何でも承ります!
口の利けぬ筆耕師が、筆に祈りをのせて代書する――
「日本歴史時代作家協会賞」受賞作家による、人情時代シリーズ!
水沢数馬は深川の蜜柑長屋で、姪の春佳と筆耕屋を営んでいる。数馬は訳あって口が利けぬが、文字に触れると書き手の想いや過去が心に浮かぶ――そんな才を持つがゆえ、依頼人に寄り添った仕事をすると評判だ。
今日も“だんまり堂”には、迷子の娘を捜し続ける夫婦、冥土からの文を求める飛脚、大店の娘に料理帖を託したい女中が訪れ……。
温かな人情時代シリーズ開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
141
あぁ、好いなぁ。気になる麻宮さんの新しいシリーズの始まりはグッと心を掴まれる感じだ。口が利けないが文字に触れると想いが心に浮ぶ筆耕師・数馬と、その兄夫婦の忘れ形見・春佳が営む蜜柑長屋の筆耕屋が舞台。賢く健気な春佳、そこは子どもを描かせたらピカ一麻宮さんだもの、鬼の私もつい涙が・・数馬が使う兄の道具たち(硯に墨と文鎮)これがまた数馬と会話するのが面白く、挨拶代わりの連作3話前のめりに読んだ。これからきっと秘められている事が明らかになっていくのだろうな。それも気になるが依頼人の持ち込む仕事の顛末も好いなぁ。2026/02/04
もんらっしぇ
96
御新造さん、あっしゃぁね。本を読んでましてねぇ…寄る年波のせいか、親を亡くした健気な子供の出てくる場面なんかではね、その台詞なんぞ読んでるうち…自然にポロリと涙が出てきて困るんでさぁ(>_<) ですからね、いつも電車の中が一番読書がはかどるんでやんすが…この本はいくらなんでも…いけやせん(-_-;) たとえ周囲の連中、皆が皆スマホに夢中で、お他人様に関心がないとはいっても、よい歳したオッサンが嗚咽を漏らしてりゃ、そらぁ気づきまさぁw(爆) → 2026/01/22
タイ子
91
代書、読本の草稿などを生業としている数馬。一緒に暮らしている9歳の姪の春佳。口が利けない数馬の唇を読んで理解してくれる春佳の存在は有難い。蜜柑長屋に住む2人の周りには優しい人ばかり。そして硯や墨が数馬としゃべる、何より代筆の仕事を受ける相手の文字から見えて来るその人物の思いや過去。ファンタジー要素を含みながら、代書を依頼する人たちの人生が生々しく描かれる。何より春佳の賢さが際立っていながら、子供らしさも垣間見え優しさとジワリが胸に沁みる物語。続編が気になるところだが、3巻まで続けて刊行とのこと。嬉しい!2026/01/15
天の川
63
この新シリーズ、とても良い!蜜柑長屋の筆耕屋。だんまり堂と呼ばれているのは数馬が口が利けぬから。依頼者の文字に触れると依頼の背景が見え、筆や墨、硯が数馬の心にアドバイスを授ける。3編ともに麻宮さんならではの温かさ。親を思う子どもと子どもを思う親心を書かせたら絶品だものなぁ。勝ち気で大人びた口を利く姪の春佳と長屋で暮らしているのも数馬が口が利けぬのも、何か謎がある様子。温かな話と何やら昏い過去とが今後交錯して書かれると思うとワクワクする。2巻目は今日発売♪楽しみです~2026/02/06
のんちゃん
37
江戸深川に暮らす数馬は筆耕屋。訳あって口がきけないが、共に暮らす姪の春佳が客との間に入り仕事がまわっている。数馬は客の文字に触れるとその気持ちや過去に何があったかを悟ってしまう能力がある。そんなわけもあり、彼の仕事は客の心を掴む。拐かしや短命、身分違いの辛さ等、江戸時代特有の遣る瀬無い話が続き、こちらの気も塞ぐが心温まるラストなので落ち着く。数馬と春佳の過去にも何事か秘密がありそう。続編が楽しみ。作品とは関係ないが、時代小説はいつも人権や防犯、警察の働き等が確立している現代の有り難さを再認識させてくれる。2026/02/22




