内容説明
記号学者・哲学者のロラン・バルトが大統領候補ミッテランとの会食直後の交通事故がもとで死亡。そして彼が所持していたはずのある重要な文書が消えていた。これは事故ではない! 捜査にあたるのはジャック・バイヤール警視と若き記号学者シモン・エルゾグ。二人以外の登場人物は、フーコー、エーコ、ドゥルーズ、ガタリ……といった綺羅星の如き面々。そして舞台はパリ、ボローニャ、イサカ、ヴェネツィア、ナポリへと……。言語の七番目の機能とは何か? 『HHhH』の著者による驚愕の記号学的ミステリ。アンテラリエ賞、Fnac小説大賞受賞作!/解説=吉川浩満
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Sam
55
期待の3倍は面白かった。「誰がロラン・バルトを殺したか?」って確か交通事故だったのでは?このタイトルはいったいなに?とよく分からないまま読み始めたがすぐに引き込まれる。「ロゴス・クラブ」なる秘密結社とフランス政界における権力闘争を軸としたなかなかに壮大で濃密なミステリ。フーコーやデリダ等80年代の思想界におけるスターたちが登場する(だけでなく乱痴気騒ぎを起こすわ殺されるわ…)のがまた何とも興味深い。時折登場する日本人2人組が実は蓮實重彦と浅田彰なのではないか…などと突飛なことを想像しながら楽しく読めた。2026/02/26
塩崎ツトム
23
「文学部唯野教授」っぽい、言語とポストモダン哲学、そして文学と対話と論理の冒険。これはフィクションであるが、被害者も被疑者も、実在する哲学者たちである。バルト、フーコー、デリダ、ヤコブソン、クリステヴァ、それからエーコ。言語はあなたを生かすし殺す。そのロジックは難関でも、わたしは、われわれは、それを読みたいと思い、理解したいと思う。無限の疎外と、可能性を与えてくれる他者の言葉を拒むな。言葉を失ったエロイでいるよりも、食人をしつつも言葉という道具を手放さないモーロックでありたいと思う。2026/03/11
練りようかん
18
『HHhH〜』の著者2作目。謎の導入が魅力的で、記号学への興味も手伝いはじめはスムーズに進んだ。だが、あらすじでわかっていても登場人物が実在の有名知識人たちばかりで、エーコ自身も登場するが儀式とエロスのカオスに『薔薇の名前』を想起。大丈夫かと余計な心配でペースは落ちるが難解且つぐいぐい引っ張っていくタイプだと途中で感じた。消えた文書をめぐり何人も殺される、そのシーンのあまりの激しさに目がチカチカして轟音の空耳まで聞こえる始末。物語の舞台は1980年のパリ、ミッテランについて改めて調べようと思った。2026/06/23
もってぃ!
2
1.5/5.0 ★☆2026/04/27
タマ
2
ロラン・バルトが交通事故による怪我がもとで死亡した史実をもとに「言語の七番目の機能について書かれた文書」をめぐる争いを描いたサスペンスミステリ小説。ロラン・バルトをはじめフーコー、クリステヴァ、ソラリス、ラカン、アルチュセール、バトラー、デリダなど錚々たる思想家・哲学者が出てくるが、みんな滅茶苦茶にひどい描かれ方をしてて、遺族とかまだ存命の本人は怒らなかったのか心配になった。2026/04/23




