内容説明
キャリアの絶頂にある画家のアレックスはこれまでの集大成となるロンドンでの展覧会を前に、幼少期を過ごした自宅を売却するため、数十年ぶりにイタリアの小さな町を再訪する。彼は幼き日に、この自然豊かな田園地帯を親友のジェイミーと年上の少女アンナとともに探検した。アレックスの記憶の断片は、三人を理解不能なまでに深く結びつけた輝かしい日々をよみがえらせる──そしてすべてを決定づけた、廃教会で傷ついた“隠者”と出会った運命の日のことも。追憶と現在が交錯し、そのあわいに息を呑むほど美しく残酷な物語が浮かびあがる。きらめくような愛惜と心震わせる郷愁が描き出す、早熟の天才と謳われた著者が小説の構造美を磨きあげて贈る円熟の傑作。/解説=川出正樹
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
11
700頁近い厚さにちょっとためらったけど、さすが「ソフィー」のガイ・バート、読み始めたら一気でした。イタリアでの少年時代、イギリスでの学生時代、そしてまた再びイタリアでの大人としての日々。大事な二人の友達。ノスタルジーと不穏、ミステリと幻想が絡み合って、難解な部分もあったけれど最終的にはとてつもなく美しい場面にたどり着いて良かった。そして解説が作品への理解を深めるのに役立って助かりました。2026/04/27
GO-FEET
5
《きらきらとした子ども時代の冒険を綴った愛おしき児童小説。思春期の苦悩と蹉跌、孤独と友情をみずみずしく織り上げた青春小説。華やかさと儚さを兼ね備えた初々しい恋愛小説。そして、何よりも巻き戻せない時間の中で選択と後悔を繰り返しながら生きる二人の少年と一人の少女の煌めく生命力と仄暗き死の影に彩られた美しくもやる瀬ない人生の物語》(川出正樹)2026/04/14




