内容説明
彼女なら完璧だ！ まさに月と狩猟の女神アルテミス……。旅先でアンボーン伯爵は死刑執行前夜の娘を買い取った。ある男への復讐の小道具にするために。二カ月後、伯爵が城へ戻ると、パーディタと名づけたその娘は憂愁の調べを奏で、優雅にワルツを踊ってみせた。貴婦人さながらの気品まで漂わせ、想像以上の変身ぶりだ。気づくと伯爵は彼女の唇を奪っていた。パーディタは心をかき乱された。伯爵の氷のような瞳。彼は私を汚れた女だと思い込んでいる。なのにキスをされただけで、あの苦い教訓を忘れてしまいそう。■心を閉ざした囚われの美女と、復讐に燃える伯爵。やがて二人は数奇な運命の巡り合わせに愕然としますが……。人気作家が描く切なくも絢爛豪華な愛憎劇、どうぞご堪能ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Michelle
13
ものすごく漫画チックで、細部が甘く説得力に欠ける。なぜヒーローはそこまで復讐にこだわるのかとか、ヒロインが秘密を打ち明けなかった理由とか、能天気なヒーロー母の行動に矛盾を感じたり。深く考えだすとつまらなくなるので、サラッと読むべし。2023/03/17
ぽこ
7
ヒロインが散々な目に合っている割にはしたたかで、心の余裕を感じた。復讐に貢献しているのは伯爵ではなくヒロインとミセス・フリスで、伯爵は悪い考えを持っているけど良心に苦しめられていて哀れだった。伯爵の考えた作戦も相手任せのずさんなもので、彼は悪いことはできないタイプだと思う。2016/01/18
みろん
2
悪役のあまりの卑劣さにびっくり…！どこで納得するかで読後感に個人差が出るかも…。私的にはいろいろちょっと微妙…。最後の1頁はちょっと都合良すぎるように思えたけど、ロマンス読者を安心させるために必要な”救い”なのかしら…。2010/01/29
こえん
2
従妹がうけた仕打ちへの復讐に燃える伯爵ヒーローと、彼に復讐の道具として選ばれたヒロイン。ヒロインに白羽の矢を立てた理由が理由だけに、彼のヒロインへの態度がね～。誤解を解こうとしないヒロインにも問題はあるけど、彼女が陥ってた状況を考えると納得できる気もするあたり微妙。終盤に登場した女性のお陰で、悪役にはきっちりカタがついたけど、その女性も一癖あったし…。2010/01/16
葉月
1
C2011/08/29
