内容説明
30歳の日葵は、疲れきっていた。ブラック企業に疲弊して勢いでやめたものの、再就職しようにも気力がわかない。不安で押しつぶされそうなある日、普段通らない路地裏に、古民家のお弁当屋さんを見つける。イートインもあるらしい。気づけば、いい香りの焼肉の香りに誘われてお弁当屋さんへ。お弁当の中に、牧歌的な雰囲気や安らぎなどがぎゅっと詰まっている気がした。店内にシェアハウスを募集している貼り紙を見つけ、思い切って申し込むことに。弁当屋の店主・菜月は、口数が少なく職人気質で、テキパキと仕事をする。その姿を見ているだけで安心できた。古民家の庭は木や花が植えられていて、猫や野鳥も自由に入ってくる。料理が苦手な日葵は調理の手伝いはできないが、店を手伝ったり植物の世話をしているうちに、地域の人たちと知り合っていく――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Karl Heintz Schneider
48
恋人と仕事を同時に失い失意のどん底にいた日葵は一匹のシュナウザーに導かれるように一軒の古民家にたどり着く。そこは葉月がひとり営む弁当屋で同時にシェアハウスメイトを募集していた。そこで暮らし始めた日葵は次第に自分を取り戻してゆく。どこかで聞いたような話ではあるが他と違うのは主人公の事情が序盤では詳しく語られず、その代わりにシェアハウスの様子を中心に描かれる。きれいな庭のある古民家、栄養たっぷりのごはん。ぶっきらぼうだけど優しいオーナーの葉月。近くの喫茶店のマスターや常連客のご隠居。2026/03/19
蒼
26
心満たすもの 全肯定の張子の赤べこ い草の爽やかな香り 裸足で苔を踏む 濃紺色の空にまたたく満天の星 パチパチとはぜる薪ストーブと香り 陽だまり、抜ける風、笑い声。それらが傷つき倒れた心をやわやわとくるんで、立ち上がる力を貸してくれる。そんな物語でした。2026/03/31
kimuchi
11
お料理が美味しそうだった。主人公日葵が段々と前向きになる姿こちらまで気持ちが前向きになってきた。お話続いて欲しい。2026/01/23
Hanna
10
仕事も恋も失って、どん底の時に1匹のシュナウザーに誘われた先で物語は進み出す。現実世界に疲れてしまって、この展開ってちょっと羨ましい。2026/04/06
ゆり
9
主人公が30歳という年齢よりも上に感じる語り口や喋り方なので違和感。割と無神経なことを口にしてしまうのであまり好きではありませんでした。イラストレーターになる過程も出てきますが、イラストレーターってそんな稼げないので、どうやって暮らしているんだろうという疑問。菜月の過去は重いですが、最後にちょっと触れる程度だったので残念。もう少し丁寧に菜月のことを知りたかったなと思いました。他の登場人物も癖強。出てくる料理が豊富だったのと、ゆったりとした空気は素敵でした。2025/12/31




