内容説明
大晦日。仕事でくたくたに疲れて帰宅した瞳を迎えたのは、がらんとした室内。同棲をしていた彼氏が家を出たことを悟り、年末の人混みをかき分けるようにして駅へと向かう。彼氏の姿はもちろんなく、途方に暮れ泣き出す瞳。そんなとき、オレンジ色をまとった女性・乃果から声をかけられる。
「おいしいもの食べに行こう」。突然の誘いに戸惑う瞳だが、つらいときこそ食べなきゃ、と、太陽のようなあたたかい笑顔に思わず頷いてしまう。連れられて入ったレストランで出てきたごま豆乳鍋。その熱さと濃厚な旨さに、またどんどん涙がこぼれていく。こんなにも悲しいのに、ごはんがおいしいなんて――。そして、瞳は思った。「私、生きている」
大晦日に出会ったどん底の二人が「人生最高」のごはんでトラブルを乗り越える! やさしくおいしいご自愛ごはん小説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
148
『ツライときほど食べる。食事って本当に大事だよね』。そんな言葉の説得力を強く感じるこの作品。そこには、”この小説が、みなさんにとっての「最高ごはん」を思い出すきっかけになればうれしいです”、とおっしゃる秋谷さんが初めててがけられた”食”を題材にした物語が描かれていました。美味しそうな”食”の描写にお腹が鳴りそうになるこの作品。成分を裏付け説明するこだわりに秋谷さんらしさを感じるこの作品。“これからも、ごはんを通して生まれる小さな奇跡を物語にして届けていけたら”、という秋谷さんの思いを強く感じる作品でした。2025/12/25
おしゃべりメガネ
93
これまでの作品では医療モノが中心だった作者さんの'ごはんモノ'な一冊です。同棲した彼が突然出ていき、失意、悲しみのどん底にいた主人公「瞳」に声をかけてきたのは、天真爛漫な「乃果」。そんな「乃果」に誘われるまま、「瞳」はとあるレストランへと連れていかれます。そこで食べた豆乳鍋をきっかけに彼女たちの人生が少しずつ動き始めます。本作はとにかくこれでもかと言わんばかりに、食べ物描写のオンパレードです。あらゆるメニューをしっかりと成分含めて説明してくれているので、今後の食生活において参考になるかもしれませんね。2026/01/06
Karl Heintz Schneider
40
「泣くと寒くなりません?」恋人に去られ、駅のホームで泣いていた瞳は乃果(のか)に突然声をかけられる。レストラン鈴(ベル)に連れて行かれ温かいご飯と乃果の優しさに身も心もポカポカに。そして乃果を家に連れて帰り一緒に住むことに。ふたりでの食事は人生最高ごはんを毎回更新してゆく。秋谷りんこさんはこれで5冊目。私の知る限りグルメ系は初めてだと思う。ただ食べ物に含まれる栄養素が健康に及ぼす効能などが細かく描くことにより彼女さしさを表現している。2026/04/01
まり
24
図書館本。最高のごはんの更新って面白いと思った。しかも値段とかじゃなくて誰と食べたとかその時の気持ちも大事で…更新していくって楽しい。乃果のポジティブなところや無邪気なところが可愛らしく…だから最後はハラハラしたけど瞳さんが優しく包み込んでいて、ちょっとウルッときた。2人の生活が楽しそう。城之内さんがいいキャラだったけど…まだまだ2人で楽しくルームシェアしててほしいなぁ。2026/03/26
ゆずぽん
23
ふとしたことでルームシェアをすることになった二人の人生最高ごはんとは・・・誰にも置いてきた苦しい過去があって、、、食べることは生きること、それが美味しいご飯なら素敵なことで。秋谷さん、今までとは違うテイストのお話でしたが、根底には同じく傷ついた心を癒す優しいお話でした。2026/03/24




