岩波新書<br> 明治維新10講

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岩波新書
明治維新10講

  • 著者名:三谷博【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 岩波書店(2025/12発売)
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  • ISBN:9784004320913

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内容説明

永遠に続くかに見えた「天下泰平」は,またたく間に崩れ去った.近世社会の骨格を作り上げていた世襲的身分制は根本から解体され,国民の政治参加までもがはじまる.しかし,その過程で流された血は,とても少なかった.日本列島を一変させた,世界的にも特異なこの大変革を,躍動する人物たちとともに大きな視点で描く.

目次

はじめに

第1講 「双頭・連邦」の国家──明治維新の前提①
1 国家のしくみ――長期安定と崩壊の条件
2 社会と身分

第2講 近世東アジア秩序と日本──明治維新の前提②
1 近世東アジアの秩序像
2 近世日本の世界像
3 対西洋政策の展開
4 対西洋政策の三類型

第3講 鎖国維持から開国へ
1 アヘン戦争後の海防政策
2 危機現前への対応

第4講 体制崩壊のはじまり──安政五年政変
1 歪みの顕在化――限定的開国の時代
2 橋本左内の政体改革構想
3 安政五年政変
4 開かれた可能性

第5講 秩序崩壊へ──強兵・公議・尊攘のポリフォニー
1 幕府の強兵改革構想
2 大大名の全国政治進出――長州と薩摩
3 急進主義の由来

第6講 「公武合体」と内戦
1 尊攘運動の高揚と挫折
2 「公議」政体運動と「公武合体」
3 鎖港問題――幕府の混迷,西洋の制裁
4 内戦勃発――水戸と長州
5 「公議」政体運動,二度目・三度目の挫折
6 薩長提携,長州の臨戦体制

第7講 「王政・公議」政体への転換
1 「御威光」の消滅
2 「友・敵」関係の急変
3 二つの王政復古――徳川主導か,徳川排除か
4 発火,炎上――鳥羽・伏見の戦い
5 政体の転換――明治政府の発足

第8講 改革急進
1 戊辰内乱とその副次効果
2 全国画一の政へ――中央集権化の構想と手法
3 暴力への誘惑――地方軍団の脅威と廃藩

第9講 暴力と言論
1 「文明」への「上進」
2 暴力と言論の相乗的拡大
3 武力反乱から言論運動へ

第10講 比較史上の明治維新
1 立憲政体への転換
2 比較史上の明治維新

参考文献・史料一覧
あとがき

関係略年表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

74
明治維新をペリー来航から大日本帝国憲法制定までの期間と捉えて、保母時代に沿って10のテーマを立てて論じる。遠山茂樹的唯物史観とは異なる形での、体制変換という「革命論」になっている一方、この時代について大きな視点から鳥瞰しており、通して読むと明治維新に対するくっきりしたイメージが浮かぶ良書だ。事実関係も丁寧に説明されており、とりあえず維新とはなにかを知りたい人にもお薦め。他の欧米近代革命と比べ、死者が極めて少ないことを考察する。明治維新が日本の議会制、立憲君主制を生み出したイベントという見方には賛同する。2026/01/12

よっち

27
近世の天下泰平が一瞬で崩壊し、世襲的身分制が解体され、国民政治参加の時代へ移行した明治維新を10回の講義形式で解説する1冊。江戸体制がなぜ短期間で崩れ、しかも驚くほど死者が少なかったのか。その権力の移行過程を天皇・将軍の双頭制から、大名・武士の対応や国内外の思惑、旧来の軍事力の無力化など、鍵を握る人物たちの視点から解説していて、江戸時代の問題解決法やイデオロギーの二極化回避、天皇の存在による指導権争いの不在などを挙げて、積み重ねた交渉と調整で大規模な武装抵抗にまで至らなかったという視点は興味深かったです。2026/03/08

ジュンジュン

11
従来の幕藩体制を「双頭・連邦」国家と規定する事によって、他と比べて流血の少ない革命・明治維新を分析する。天皇が権威を担い、将軍が権力を行使する分散体制。長い太平の世が生んだ紛争解決としての訴訟。敵か友かに峻別するイデオロギーの不在。等々複合的に合わさってソフトランディングに成功したとみる。なるほど面白い。2026/03/07

於千代

3
幕末〜維新期の解像度が大きく上がる一冊。板垣退助が薩長分裂を予測し、薩摩を仮想敵として長州や奥州諸藩との連携を模索していたという話は全く知らず、興味深かった。最終講では世界の革命との比較も行われる。明治維新は武士階級を一挙に解体したという点で、19世紀世界でも激烈な階級革命だったという指摘は目から鱗。また犠牲が比較的少なかった点も特徴であり、なぜ士族が大規模な武力蜂起に至らなかったのかという問いも非常に重要な問いであると感じた。2026/03/12

はるたろうQQ

2
著者を初めて知ったのは「ペリー来航」でやはりそこは詳しい。江戸幕藩体制は「禄と権の不整合」、「能力と公的地位の乖離」という相互牽制機構があって平時は安定したが、国際環境の変化により挙国一致と有用な人材活用が必要となると不適合が顕在化し、崩壊・身分制解体にまで及んだ。天皇も含め政治過程への新たな介入者が其々の思惑を持って行動・合縦連衡する幕末の複雑な政治過程が上手く纏められている。権利剥奪された武士層が殆ど反抗しなかった理由は、経済的に既に身分制が破綻していたというのが「武士の家計簿」での磯田道史の回答だ。2026/03/15

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