中公新書<br> イスラームが動かした中国史 唐宋代から鄭和の大航海、現代回族まで

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中公新書
イスラームが動かした中国史 唐宋代から鄭和の大航海、現代回族まで

  • 著者名:海野典子【著】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 中央公論新社(2025/12発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121028860

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内容説明

中国とイスラーム世界が邂逅した7世紀以降、西方や南方から来華したムスリムは、歴代中国の諸勢力が躍進する原動力となり、各地に豊かな文化を根づかせた。
彼らは、中華文明とどう向き合い、中国社会をどう変えたのか。

本書は、唐宋代の交易からモンゴル帝国の統治、鄭和の大航海、清への反乱、辛亥革命と日中戦争、現代新疆の実相までを一望。
時空を超えた1400年の軌跡を、世界史の視座のもと照らし出す。

【目次】
まえがき

序 章 中国ムスリムの概要
民族別の人口と居住地  三つの主要な集団  ①漢語を話すムスリム回族を中心に  「回族らしさ」とは何か  回族の宗教信仰  移動と定住  ②新疆のテュルク系ムスリムウイグル族を中心に  ③サラール族・東郷族・保安族

第1章 外来ムスリムの往来と定住唐代から元代
1 唐とイスラーム世界の邂逅
2 沿海部における交易活動
3 中央アジアのテュルク化とイスラーム化
4 元朝と色目人 

第2章 土着化の進行明代
1 社会的地位の変化 
2 混血と入信 
4 鄭和の大航海 

第3章 苦難と変革清代
1 政策と制度 
2 思想の深化 
3 諸イスラーム集団の形成 
4 ムスリム反乱 
5 近代的覚醒と国際関係 

第4章 民族意識の形成中華民国期
1 新国家への期待と現実 
2 馬家軍西北地域の回民軍閥 
3 ナショナリズムの喚起 
4 民族と宗教 
5 ウイグル・アイデンティティの芽生え 

第5章 社会主義時代を生き抜く中華人民共和国期
1 宗教の破壊と再生 
2 中国共産党と新疆ムスリム社会 
3 国際化する新疆問題 
4 政治宣伝と文化変容 

終 章 中国ムスリム史が伝えるもの

あとがき 
参考文献
イスラームが動かした中国史 関連年表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

87
中国には現在も3,000万人(ユダヤ人の世界人口の2倍以上)を超えると思われるムスリムが住み、唐の時代からムスリムがやってきていた。本書は回民と呼ばれる中国に根付いたムスリムと、中央アジアに接する北西部(新疆ウイグル)の動向の両方を、時代を追ってかなり詳細に述べたもの。新書でここまで詳しく(人名が溢れて大変だった)書く必要があるかとも思ったが、視点が現代に至るまでほぼ一貫しており、まだ30代の研究者とは思えないほど濃厚。特に20世紀~現代の部分は、今の中国、特にウイグルを知るのには必読ともいえる。2026/03/18

よっち

26
中国におけるムスリムの1400年にわたる歴史を、唐代の邂逅から現代新疆問題まで世界史の視座で描き出した1冊。人口のわずか2%弱ながら約2500万人を数える中国ムスリムは、主に漢語を話し全国に広がる回族と、新疆中心のテュルク系ウイグル族などに分かれ、両者の軌跡を個別かつ総合的に追う内容になっていて、イスラームが必ずしも排他的ではなく、多文化共存可能な事例と感じさせる一方で、漢語強制や母語教育制限が文化同化を加速させる現実も指摘されていて、現代の新疆問題を歴史の文脈で理解する上でもなかなか興味深かったですね。2026/01/22

kk

21
図書館本。回とウイグルを中心に、唐代から今日に至る中国ムスリムの歩みを概説。中国におけるイスラム伝来・定着の経緯・機序、イスラム勢力と漢地諸王朝との関わり合い、ムスリムと漢族との社会的な交渉、イスラム的意識の成熟、彼らの苦労や対応などを瞥見。ムスリムと漢族等との結び付きの双方向性にも着目。中国史の複雑な実相の一端を垣間見る思い。丹念に書き上げられた著者渾身の一冊という印象。他方、記述が細部に亘り過ぎるきらいなしとせず。また、致し方ない面はあるが、宗教と民族と文化の各側面の別が十分に整理されていない印象。2026/02/08

MUNEKAZ

17
泉州のムスリム商人、元の色目人、鄭和の南海遠征、そして現代のウイグル人問題と、中国史の節目節目に表れる中国ムスリムたち。中国各地に薄く広く居住する漢人ムスリムたちや、新疆のテュルク系ムスリムら、様々なルーツを持つ人々の歴史を紹介する。政権との距離の取り方、宗教的な取り組みは多様だが、マイノリティとして生きる人々の苦闘が一貫して描かれているのが印象的。ムスリムに対するマジョリティ側の嫌がらせや差別の在り方は、今の本邦の排外主義者にも似通ったものがあって、この辺は国を問わず普遍的なのねと思う。2026/01/08

さとうしん

17
中国ムスリムの歴史と現在。特に近代以降は宗教集団としての回民か少数民族としての回族か、中国ムスリムのアイデンティティないしは政治的な位置づけが揺れ動くさまが描かれる。それと付随して開封のユダヤ人、あるいはウイグル族など回族以外のムスリムにも触れる。文革の引き金となった「海瑞罷官」、あるいは紅衛兵のネーミングに回族が大きく関わっていたという点が意外。また蒲寿庚、海瑞などをはじめとして関係する歴史上の人物や、歴史学者として著名な白寿彝など、現代の著名な回族出身者の紹介もある。2025/12/22

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