内容説明
ごぼう抜きランナーたちの素顔に迫る
生きるためには走るしかなかった――
箱根駅伝「花の2区」を駆け抜けたケニア人留学生たちのドラマ。
箱根駅伝のエース区間「花の2区」を誰よりも速く駆け抜けたにもかかわらず、私たちは彼らの家族、兄弟、故郷、友人、そして来日の方法などについて何ひとつ知らない。正月のテレビ画面に「見えている」のに「視えない存在」――ケニア人留学生の謎を追ってアフリカの大地を訪ね歩いた。
●箱根2区の区間記録保持者、リチャード・エティーリの素顔
●マラソン五輪金メダリスト、元仙台育英のサムエル・ワンジルの死
●陸上ファンの間で疑問視されてきた謎の高校「ガル高校」の真相
現地取材で徹底レポート。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
184
ランナーの聖地、ケニア西部に位置するリフトバレー地域にあるニャフルル·イテンで、留学生ランナーの素顔を取材している。伝説のエージェント·ケニヤッタ小林(小林俊一)がワキウリを引っ張ってくるところから始まり、山梨学院大学のオツオリ、世羅高校のカロキなどが書かれている。人物としての彼らを知ることで、ケニア人ランナーのすごさ·大変さを知ることになります。2026/01/25
Toshi
38
今やニューイヤー駅伝、箱根駅伝から高校駅伝まで、「花の〇区」でごぼう抜きを見せるケニア人ランナーたち。彼・彼女らがどう言う背景で日本にやってくるようになったのか、その内情、ランナーたちのその後の人生を、現地での取材を含め数多くのインタビューに基づきその実情を明かしていく。また受け入れる側にも外部からの批判や様々な葛藤があることが描かれる。ルポルタージュとして毅然とした視点で描かれた良著である。ケニア人ランナーたちにも拍手をおくりたい。2026/03/20
kawa
35
年末、年始お茶の間テレビの前で手に汗の駅伝シーズン。そんな時に手に取って良かった一冊。勝敗を左右する外国人ランナーすべてケニア人であることさえ知らなかったのだが、3回もケニア取材の著者、様々な事情が詳細に解る。外国人ランナーと一括り見だったのだが、ひとりひとりの事情や葛藤が興味深く観戦目線も変わる予感。やむを得ないと思っていた高校駅伝の外国人ランナー起用制限(3㎞の短距離のみ出場可)も本書で「どうかな」と考えこむ。ドーピング蔓延も生活のためとは言え深刻な問題だ。(よく読みましたお終いの今年460冊目🌸)2025/12/30
tosca
32
ケニア人留学生に対する素朴な疑問からケニアに足を運び、現地の実情や日本で活躍したランナーのその後などを取材する。一流ランナーともなるとスポンサーが付き莫大な収入が得られるが、成功者は周囲を助けるという文化があるケニアでは、親戚縁者への多額な出金で、走れなくなると貧困に陥るケースもあったり難しい。ただ日本はトップでなくても一定の実力があれば実業団に採用され安定した収入を得られるので人気があるそうだ。しかし、日本人高校生選手が可哀想といった感情論等から留学生の規制が強められているそう。ここでも外国人排除なのか2026/02/28
鯖
21
箱根駅伝を走ったケニア人ランナーたちの謎に迫る新書。謎の高校「ガル校」は日本人エージェントが日本側に説明しやすい出身校として便宜上作り上げた高校であるとかめっちゃおもろかった。しかし仙台育英、姉妹校としてそれを受け入れちゃっててホントによかったのか…。カロキのように今もなお、地元で愛されるランナーと北京で金メダルまで獲ったのに痴情のもつれからか若くして死んだワンジルの落差。走ることは働くことであり金を稼ぐこと。世羅校や山学にあびせられる心無い批判の数々。2026/03/15




