内容説明
世界文学の潮流から、日本文学の快進撃の理由がクリアに見えてくる!
柚木麻子『BUTTER』、雨穴『変な絵』、王谷晶『ババヤガの夜』などが英国の文学賞やベストセラーリストを席巻した2025年。翻訳家・文芸評論家として国内外の文学シーンを長年観測する著者が人気の理由を読み解く。英米の書評に見られる意外な形容、日英翻訳家たちの創意工夫とネットワーク、排外主義的な政治状況に反発する若い世代からの支持……。フェミニズムからミステリ、猫と喫茶店が定番のヒーリングフィクションまで、村上春樹以後の「世界文学としての日本文学」を描く決定版!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Nobu A
13
鴻巣友季子著書11冊目。2週間前に初版発行で湯気が出る程の新刊ホヤホヤ。早川書房続き。前書は負の面だったが、本書は正の面。攻めのハヤカワ。タイトルに惹かれて購入した訳ではない。俺だって海外文学の人気の理由を即興で十ぐらい挙げられる。この現象を鴻巣友季子がどんな論拠でどんな考察をしているのかに俄然興味があった。帯の担当編集者の惹句通り、世界文学シーンの最前線を明晰な分析を通して﨟長ける文章で開陳。マーキング多数。翻訳者兼文芸評論家だが、本書に限っては研究者然に映る。内容充実で読み応え十二分。啓蒙書。2026/01/08
Matoka
12
英語ネイティブは世界の全言語人口のわずか6%。日本文学に限らずもっともっと色んな言語がどんどん翻訳されて翻訳文学が盛り上がっていくと良いなと感じた。村上春樹の本は海外ではかなり編集されていると知って、あの世界的なブームの裏側には編集の力があったんだなと妙に納得した。日本文学ブームの背景には「ヒーリングフィクション」として括られる独特のジャンルがある。猫が出てこなくても表紙のイラストに猫を描く(笑)2025/12/26
Inzaghico (Etsuko Oshita)
9
翻訳という営みが英米ではなぜか軽視されている。英米では翻訳者の名前がカバーに出ないことが当たり前とされてきた。だが、その状況も少しずつ変わってきている。だが、その状況も少しずつ変わってきている。国際ブッカー賞(英訳された外国作品に授与される)では、原作者と英訳者が賞金を折半する。 「翻訳という地道な仕事に求められるのは高い技術だけではない。むしろ翻訳者を志す動機や、それまでの経験から何をものにしてきたか(翻訳業の経験でなくてOK)ということが重要だと思う」 この部分を忘れずにいたい。自戒を込めて。2026/01/03
Tsu_ba_saa
4
大変興味深く読んだ。紹介されている日本の小説家はほとんど柚木麻子さんのみだったので、少しずつ読んでみよう。訳さず読めるのだから…!これを機にハルキにも挑戦してみるか?2026/01/07
海苔数
4
一昨年イギリスを訪れた際、書店で「BUTTER」が大々的に並んでいるのが印象に残っており、タイトルに惹かれ購入した。自分自身がハマっていないのもあり、村上春樹の海外における評価などもよくわかっていなかったのだが、彼がどういった点で評価されているのかや、以降最近の作家が評価されるに至った文脈がわかって面白かった。 ただ、日本文学の代表的な人気カテゴリとして「犯罪・ミステリー」が挙げられているのにその部分についてはほぼ説明がなかったのでミステリーファンとしては残念。個別ジャンルをもう一息深掘りして欲しかった。2026/01/03




