ストレンジャーの人類学――移動の中に生きる人々のライフストーリー

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ストレンジャーの人類学――移動の中に生きる人々のライフストーリー

  • ISBN:9784750350295

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内容説明

複数の国家/社会を移動し、複数の言語、文化を跨いで生きる5人の「ストレンジャー」が語るライフストーリーを記述することで、彼ら/彼女らがどのように差異と向き合い、自己・他者認識をし、他者と関わっているのかを「折り合い」をキーワードに考察する。

目次

はじめに
序章 ストレンジャーの人類学に向けて
1 はじめに――「〇〇人」では捉えきれない人々
2 「外国にルーツを持つ人」に関する研究
(a)つながる先のルーツの探究から見えてくるもの
(b)「ストレンジャー」の視点から移動を捉える
3 理論的背景
(a)ストレンジャー論
(b)コスモポリタニズム
(c)文化相対主義をめぐる議論
4 分析の視点
(a)周縁化と受容
(b)「差異の渡り越え」と「差異の橋がけ」
(c)「他者」との接触と交流の断念
(d)差異の折り合い
5 調査方法
(a)方法としてのライフストーリー
(b)本書におけるライフストーリー
(c)オートエスノグラフィ
(d)インタビューの手法と脚注と仮名の使用について
6 4人の調査対象者のプロフィール
(a)ヨシ
(b)ナタリア
(c)サラ
(d)ケン
7 本書の構成
第1章 移動の複雑性
1 移動の遍歴
2 「移動する子ども」としての経験
ヨシの「移動する子ども」という経験
ナタリアの「移動する子ども」という経験
サラの「移動する子ども」という経験
ケンの「移動する子ども」という経験
ファビオの「移動する子ども」という経験
3 「自分探し」の移動
ヨシの「自分探し」
ナタリアの「自分探し」
サラの「自分探し」
ケンの「自分探し」
ファビオの「自分探し」
4 移動を繰り返す生き方
第2章 いかに「他者」を語るか
1 何を「ちがい」と捉え、何を「あたりまえ」と捉えるのか
ヨシの語り
(a)日本と韓国の「家」を往来する経験から見えるもつれ
(b)漫画とアニメをめぐる「他者」のイメージ
(c)「貴人のスポーツ」
(d)ホストファミリー
(e)多様性と場違いなトランスナショナル的状況
ナタリアの語り
(a)ランドセルと制服と体格
(b)「想像される世界」
サラの語り
(a)家族同士のつながり
(b)クウェートに引っ越して
(c)クウェートの日本人学校
(d)群れるということと恥の共有
ケンの語り
(a)言語に対する関心
(b)同質性に対する違和感
(c)「アメリカン」と「外人」と呼ばれて
(d)理不尽だけど「あたりまえ」
ファビオの語り
(a)食と関連付けた「他者」の認識
(b)閉鎖的な外国人
(c)あいさつ
(d)ブルーホ
2 「他者」への評価と反省
ヨシの語り
(a)複数言語間の「移動」と「こだわり」
(b)自己他者化
ナタリアの語り
(a)「日本人らしさ」
サラの語り
(a)地元の小学校
ケンの語り
(a)人気者の交渉
(b)「good」と「bad」の判断基準
ファビオの語り
(a)日本人を警戒する
(b)偏見は崩すのは難しい
(c)メキシコ人は怠け者
3 「他者」との関わりの中で認識するもの
第3章 他者評価に反映される自己の位置付け
1 何が許容され、何が排斥されるのか
ヨシの語り
(a)日本とロサンゼルスで就労
ナタリアの語り
(a)半分日本人
サラの語り
(a)帰国子女に対するまなざし
ケンの語り
(a)年功序列としきたり
ファビオの語り
(a)言語
(b)日本人学校に通うメキシコ人
(c)他者の想定内であれば何人にでもなれる
2 許容範囲内の「何者か」
第4章 脱ストレンジャー化
1 互いの持つ「差異」を乗り越えて
ヨシの語り
(a)「貴人のスポーツ」の試行錯誤
(b)人種のヒエラルキーと自分の位置付け
(c)「尊敬」と「リスペクト」をめぐる交渉
(d)メヒカーノのアミーゴ
ナタリアの語り
(a)「名乗り」をめぐる折り合い
(b)おにぎりとサンドイッチ
サラの語り
(a)共通点を見出す
ケンの語り
(a)ファッションとスケートボード
(b)日本社会で生き抜くストラテジーとしての英語とテニス
(c)米軍基地で英語を活用したアルバイト
(c)自己表現ができた
ファビオの語り
(a)弁当のおかずの交換
(b)話題の共有
(c)偏見を茶化したジョーク
(d)スニッチだと疑われないためになだめる
2 「他者」との距離を縮める
第5章 「何者か」になりすます
1 「他者」を演じる
ヨシの語り
(a)「ハーフ」、「日本人」、「韓国人」を演じる
(b)賛美歌を弾いて「クリスチャン」になる
(c)「アメリカ人」になりたかった
ナタリアの語り
(a)「外国人」をアピール
ファビオの語り
(a)オアハカ弁
(b)都合よく「外国人」を装う?
(c)「YOU」は何人?
2 「差異」を隠して「何者か」を演じること
第6章 再ストレンジャー化
1 折り合いがつかない
ヨシの語り
(a)「大阪人」だからという言葉に起因
ファビオの語り
(a)譲歩とその限界
2 接触のためらい
ナタリアの語り
(a)新しい環境に馴染めない
サラの語り
(a)どうせ2年で帰るから
ケンの語り
(a)ひきこもり
ファビオの語り
(a)Jリーグチームにアイデンティティを見出す
(b)多様性の承認の限界
3 思い切り
ヨシの語り
(a)差別に対する感情的な抵抗
(b)金のもつれ
サラの語り
(a)会社を辞めて、留学した
ケンの語り
(a)「恋愛がしたい」
4 「折り合いがつかない」ということの帰結
終章 移動と他者との出会いがもたらすもの
1 ストレンジャーとの関係の在り方
移動を繰り返すという生き方
(a)ヨシ
(b)サラ
(c)ナタリア
(d)ケン
(e)ファビオ
(f)複数の「何者か」の境界を往来する
差異の折り合い
(a)周縁化と受容
(b)「渡り越え」と「橋がけ」
(c)断念、失敗、ためらい
2 「ストレンジャー」から考える
ストレンジャー論について
コスモポリタニズム論について
文化相対主義の実践について
個人誌について
3 移動の軌跡と行方
参考文献
おわりに
索引

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