内容説明
終戦から80年以上がたち、ホロコーストを引き起こしたナチの犯罪を追い続ける「ナチ・ハンター」の仕事も終わろうとしている。史上最悪の犯罪と、ドイツ社会は戦後どのように向き合ってきたのか。ドイツ内外でナチ犯罪者を追い続けてきた者たちの実像に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ザビ
11
ドイツには「ナチ犯罪追及センター」があり、2026年現在でも国内外の捜査機関と協力し、周辺捜査や証拠固めの活動でナチス関係者を追跡、各地検察に証拠提供し訴追を後押しする。センターの武器は178万枚に及ぶ検索カード。ナチ残党の個人名、所属部隊や犯罪発生場所等で分類されているらしい。センターは1958年に設立された独立行政法人?みたいな組織で、当然容疑者逮捕までの権限はなく、警察と探偵のミックスみたいなものか。当たり前だが被告は概ね100歳前後、刑罰は◯施設での見回りとか書記係とか。痴呆により裁判にならない→2026/03/15
みじんこ
8
末端・高齢のナチの戦犯を裁く意義とは何か。ナチ・ハンターの活動、刑法の正犯・幇助犯の違い、強制収容所を死の灰を生産する工場とみなす論等について知るにつれ妥当ではあると思えた。キージンガーへの平手打ち事件はまさに命がけの行動。ドレーアー法のような元ナチ党員が社会に残っていた時代ゆえの根深い問題も浮かび上がる。街中のつまずきの石、生きた証を残す大切な取り組みだ。最後はイスラエルのガザ侵攻について。贖罪の気持ちも理解できる一方、「どこにいても全ての人を守らなければならない」という教訓もあるのではとの指摘に頷く。2026/02/22
Go Extreme
3
終章ナチ・ハンター ナチ犯罪追及 ドイツの80年 ホロコースト 親衛隊 戦争犯罪 ニュルンベルク裁判 フリッツ・バウアー アイヒマン裁判 ルートヴィヒスブルク中央捜査局 アウシュヴィッツ裁判 逃亡ナチス 消えない罪 時効廃止 過去の克服 司法の責任 組織の歯車 ジョン・デミャニュク オスカー・グレーニング 加害者の高齢化 最後の審判 記憶の継承 負の遺産 補償問題 強制収容所 ネオナチ 正義の追求 南米逃亡 イスラエル諜報特務局 証拠資料 司法制度 世代間の対話 歴史教育 未来への教訓 戦後秩序 終章2026/02/11
miharasi_mamiya
2
ドイツでナチス関係者を追うナチ・ハンターがどういった活動をしてきていたのかを調べて取材した内容。戦後ナチスの過去をドイツがどう対応してきたのかの歴史でもある。ナチス関係者を追う動きは戦後しばらくたってから行われたのが実情で、戦後すぐにはまだ難しかったようだ。実際の国の運営上ナチスの関係者を一掃することは難しく、世代交代が進んでからナチス関係者を追う動きをすることが可能になった。しかしそれでもナチス関係者を追いつきとめ実際の裁判にかける行為には一定の意味があるということだ。2026/01/07
ボンタンパンチ
2
戦後、各地に逃亡したナチス関係者たちを追ったナチハンターたちの実像やその功績について取材したルポ。国家レベルの犯罪となれば、戦後も当然加担した者たちが残っており、彼らは密かにナチ戦犯の逃亡を手助けしたり刑法改正で裁きを免れるようにしたりと追及を妨害していた疑いがある。一見華々しいハンターたちだが、その陰ではそうした勢力との見えない攻防があったことを知った。今や高齢となった収容所職員らを裁く理由もある程度納得。終盤はイスラエル問題に関連してドイツの過去への向き合い方を今一度問うている。2026/01/03




