内容説明
72歳になった著者が他人事ではなく、鶴見俊輔『もうろく帖』の「老い」をじっくり考えぬく。家族にとっての老いは不朽の名作『恍惚の人』、谷川俊太郎の棺のそばで思ったこと、3歳下の実弟の死から身近な血縁、ひとりで死ぬことを思う。注目の思索エッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
87
高橋源一郎72歳。老いというものが自分事になってきた。老いについて書かれた著作から、考察してみたエッセイ風の新書。一冊目は鶴見俊輔の「もうろく帖」93歳で亡くなるまでノートを認めた。短い文章への著者の解釈をつらつら述べている。二冊目は「隆明だもの」吉本隆明の最期を看取った娘の視点。既読だったので、他者から見た老いについての著者の考えは、共感しながら読むことができた。三冊目は「恍惚の人」。四冊目は耕治人の私小説「そうかもしれない」。当事者から見た夫婦の最期。これが最も衝撃的であった。いつか読みたいと思った。2026/01/09
佐島楓
56
源一郎先生の最近のスタイルとして、文献の引用が多いという特徴があるが、テクストはあくまで手がかりにすぎず、どうしても誤読してしまう要素が入ってしまうので、かえって難しくなる部分があるなあと思っていた。それでも選書の的確さと先生の考察ににじむ人間味にだんだんと引き込まれ、気がついたら泣いていた。書くこと、考えること、生きることはわたしにとっても一体だし、知的能力を喪失していくことは恐怖にほかならない。人間って、人生って何なのだろう。切なすぎる。 2025/12/15
ケイトKATE
20
2026年1月1日で75歳を迎えた高橋源一郎。ラジオ番組で老いについて言及していた。『ぼくたちはどう老いるか』は、鶴見俊輔の『もうろく帖』、吉本隆明の老いと死を書いたハルノ宵子『隆明だもの』、有吉佐和子の『恍惚の人』、耕治人の遺作から人間がどのように老い死ぬか高橋源一郎は深く考察している。老いは、近代社会において異物で他者で役立たずとして遠ざけられてきた。高橋源一郎は、老いについて明確な答えは書いていない。だが、『ぼくたちはどう老いるか』を読めば、誰もが老いと向きあう必要があると考えるだろう。2026/01/03
hasegawa noboru
19
「老いて」「死んでいく」ことが間近なものになった、独り身老人にとってはシンドイ内容の本だった。ケア病棟で意識は正常を保ったまま、がんで逝った妻の死からまだ一年経っていないが、妻は私に多くのこまごまとした細部の記憶を残してくれた。私小説作家耕治人のところを読むとそんな甘い話ではないかもしれない。「さようなら・・・さん。ありがとうございました。」と少しでもいえるのか。なかみのない私に。2026/01/11
まーちゃんごめんね
1
谷川俊太郎へと追悼エッセイが読みたくて買ったのだが、全篇面白く読んだ。鶴見俊輔『もうろく帖』や有吉佐和子『恍惚の人』などを読み解きながら、「老い」、それからその延長にある「死」について思索を広げてゆく内容。 なかでも印象に残ったのは、谷川俊太郎の「父の死」という詩について書かれた箇所だ。この詩は散文のような言葉で出来ているが、散文では感じることのない感銘が、この詩にはある。その訳が丁寧に解説されていて、なるほどと思わされる。2026/01/02
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