内容説明
これがSNS時代のフィールドワーク術だ!
中国は宗教大国だった!? 奇っ怪な神々が跋扈する中国各地のディープな信仰世界を、TikTokを駆使した「お手軽フィールドワーク」で活写する前代未聞の民俗学ルポルタージュ。福建在住の異色の民俗学者が描き出す、知られざる中国の素顔に刮目せよ! 驚きの取材写真180点超もフルカラーで一挙収載!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
佐倉
21
中国SNS、Douynの短尺動画に投稿される村のお祭りや廟といったスポットの動画たちを「一般大衆が自らの手で民俗誌(のようなもの)を編み始めた」ものとし、それを元に中国各地を飛び回りながら非常に活き活きとした中国民間信仰の姿を炙り出していく。セクシー九尾の狐とタイの御守プラクルアンの関係、和式大黒天の逆輸入現象、俗も俗なお盆の様相など日本に馴染みのないものも軽妙な文体で紹介するのでとても面白かった。廈門の国際仏具展覧会、タイ最大の呪物市場タープラチャン市場など世の中には知らない世界があると興奮させられる。2026/03/03
XX
20
著者が中国の田舎に淫祠邪教を求めた探訪記。調査のツールはTikTok。取り上げているのは「張五郎」「セクシー九尾狐」「逆輸入大黒天」「お盆フェス」「中原の無常」(これらは文革で淘汰されたはずが、どっこい中国人民はしぶとかった)。どれも一風変わったユルイ神様たちで、大切にしている重要な信仰というより、現世利益と現状のガス抜きを兼ねた発散の場としての色が濃くて面白い。中国共産党がなければ、中国はあちこちでおおっぴらにヘンテコ宗教行事が行われているもっと愉快な国だったかもしれなかったのにと思うとつくづく残念だ。2026/02/11
さとうしん
19
抖音にアップされている動画を手がかりに中国内地の淫祠邪教……もとい民間信仰を探る試み。通常中華圏の民間信仰というと台湾や東南アジアでの報告となるのだが、前作に引き続き大陸をメインフィールドとし、文革によって廃れたとされていたシャーマニズムなどの民間信仰がしっかり生き残り、かつ現代的な展開を遂げていることを生々しく報告。豊富なカラー図版とともに中国の旅あるあるも追体験できる。前作のテーマの無常信仰にも続考があり、読み応え抜群。2025/12/12
イトノコ
18
「中国の死神」の著者の新作。中国国内版TikTokによる情報収集に基づいた、フィールドワーク紀行文。逆立ち神・長五郎や東南アジアで魔改造された淫靡な九尾の狐、逆輸入された日本版大黒さまなど、現世の御利益があるならなんでも拝む現代中国人の逞しさはある意味清々しい。そして前作読者としては「無常」の続報が嬉しい。前作では河南が舞台だったが、淫祠邪教の取り締まり厳しい中原でもローカライズされ崇拝されていた。「李先生」は無常の正負を、文像と武像に振り分けた神。これも中国の神ポリコレクリーニングの一端か。2026/03/29
季鈴
18
張五郎、九尾狐、大黒天など神たちがアジア間で輸出入をしながら様々な要素を付け加え進化した背景は興味深い。宗教からもっと健全で自由な民間信仰へと変化しているのも神がもっと人々にとって身近なものになってきたんだなと思った。信仰が直感的でビッビとくるものという感覚が推し活にも通じるようで楽しそう。いろいろな神がでてきたが結局はシャーマンが一番すごくないか。政府に禁止されても各地で出没して民間信仰を維持しながら人々を支えているんだから。そしてお告げの説得力が絶大。著者の明るく伸びやかな文章が良かった。2026/03/13
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