内容説明
「書くこと」の授業で手が動かなくなる子、「読むこと」の授業で黙って立ち尽くしている子は、「ことば」をめぐる根源的な「なぞ」に出会っているのではないか――「ことば」の前にある「ことばにならない何か」を紐解くことで、「ことば」の学びのあり方を問い直す!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
にくきゅー
1
作文が書けなかったころの中学生の僕、パラグラフライディングという形式に出会い安心して書けるようになった自分、書いても書いても本当に書きたいことかわからなかった私、そんな「ことば」にまつわる自分の経験を思い出しながら読んだ。決して「どうすればいい?」に答えてくれる本ではない。でも、目の前の子どもの言葉あるいは言葉にできていないということについて、その背後にあるものを、もう少し考えてみようとなる本。最近、よく話題になる国語教育において、学習者の内面をことばにしていくことの議論にもつながりそうな気がしている。2026/02/08
有智 麻耶
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カント的な分析視角から、国語教育における「ことばにならない何か」について探求する佐藤宗大の二冊目の著書です。『国語教育』の連載を書籍化したものということで、より一般的な内容になっています。「言語化する力」を能力ではなくエネルギーとしてとらえることや、「文学的な文章」/「説明的な文章」という区別のとらえ直しなど、これからのことばの教育をつくっていくための手がかりがたくさんあったと思います(この水準の本ですら「明日の授業には役立たない」という声があることに驚きました)。2026/03/21
リュシス
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「本質観取」の場面で「ピッタリなことばを考えよう」と言う。しかし、その「ピッタリ」はどうやってわかるのだろう。道徳の授業でも「主人公は優しい」と言って満足している子がいる。そこに「んー、しっくりこない」とどうアプローチするのか。そもそも、それは本当に必要なのか。本書のいう「ことばにならない何か」とは、「自分がこれまで獲得してきた語彙や表現ではおさまらない、あるいはしっくりこないような対象」(p.61)だそうだ。私はその「しっくりくる/こない」が気になる。2026/03/07
アオペン
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不可思議でややこしい「ことば」の「なぞ」を、教育と哲学の視点から根本的に探る一冊。思いを言葉にするもどかしさと難しさの前に立ち尽くす、何人もの教え子たちの顔が頭に浮かんだ。言葉にする過程で何が失われ、何が新たに生まれるのかが丁寧に考察されている。言語化できることだけを価値あるものとして扱う風潮への批判も示され、言葉にならない感覚や思考の重要性にも目を向けさせられる。国語教育に携わる者として、言語化をどう位置づけるのかを改めて考えさせられた。安易なスローガンとしての言語化を疑う視点が得られ、刺激的だった。2026/03/07
はるお
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「言語化」の魔の手が学校現場まで迫っているなあと感じていたのですぐに購入して読んだ。「『書く』ことはいっそう、『ことばにならない何か』から遠いところに『ことば』を連れていくのです。(p.91)」完全に同意。「ともすれば私たちは、『分析』や『解釈』ということを通して、個々に異なる『ことば』のあり方を、社会に共通のお約束としての狭い『論理』の中に回収しようとしてしまうからです(p.140)」反省...2025/08/20
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