講談社学術文庫<br> 東京裁判への道

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講談社学術文庫
東京裁判への道

  • 著者名:粟屋憲太郎【著】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 講談社(2025/12発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784062921794

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内容説明

「A級戦犯」被告28人はいかにして選ばれたのか? 昭和天皇「不訴追」の背景は? 無視された証言と証拠、近衛の自殺、木戸の大弁明――アメリカに眠る膨大な尋問調書から明かされる真実。極東国際軍事裁判をめぐる歴史ドラマが、ここに開幕する!


第一人者による東京裁判研究の金字塔!
「A級戦犯」被告28人はいかにして選ばれたか

「天皇不訴追」決定の真実、無視された証言と証拠、近衛の自殺、木戸の大弁明──アメリカに眠る膨大な尋問調書から明かされる真実。極東国際軍事裁判をめぐる歴史ドラマが、ここに開幕する!

「A級戦犯」28人はいかにして選ばれたのか。天皇不訴追の決定プロセスの真実とは。釈放されていく「大物」たち、免責された毒ガス・細菌戦。冷戦が本格化してゆく中で、無視された証言・証拠……アメリカに残されていた膨大な尋問調書を丹念に読み解き、語られざる歴史の実相と当事者達の人間ドラマを描き出す。東京裁判はこうして始められた!

目次

序章 東京裁判資料を追って
第一章 日本敗戦と戦争犯罪問題
第二章 国際検察局の設立
第三章 近衛文麿の自殺とその波紋
第四章 木戸幸一の大弁明
第五章 昭和天皇の戦争責任問題
第六章 陸軍の「怪物」による内部告発
第七章 起訴状の提出
第八章 A級戦犯容疑者の釈放
第九章 細菌戦、毒ガス戦の免責
第十章 訴追と免責の岐路
むすび そして開廷へ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

モリータ

12
◆連載は1984-85年、単行本は2006年刊。著者は立教大名誉教授、専門は日本近現代史。80年代に著者がアメリカ公文書館等で入手した検察局の尋問調書等の新資料に基づく極東軍事裁判改訂前史。◆長編記録映画『東京裁判』の4Kリマスター版を観に行ったので復習として。パンフの記述が毒にも薬にもならない(主義主張がないのはいいとして映画と歴史の状況を批判的に検討する気が全くない不真面目なもの)で、当時の通説をそのまま記載しているところもあったが、本書では事実関係においてそれが誤りであることははっきり書かれている。2019/08/20

CTC

10
13年講談社学術文庫、初出は84年朝日ジャーナルへの26回の連載、底本06年同社選書メチエ(上下巻)。当裁判研究の一人者である著者だが、なんと本タイトルと同名の別内容本が共著を含め2作ある。研究成果の集成なのだろうが要点の認識と思い入れが現れる。開廷後の事は基本記されず…免訴となった事柄とその経緯や尋問内容が読みどころ。28人の容疑者が選定される過程では、A級だけで100名以上のリストアップがあり、夫々への尋問、捜査があった。そこにこそ我々が見るべきものがあるという事だろう。 2025/02/18

紫の煙

9
東京裁判における重要な論点、天皇の戦争責任や戦犯の起訴の背景など興味深い内容であった。訊問を受けた各人の弁明、主張は我々の知っている陸軍責任論であり、当時のマッカーサーの思惑もあり形作られたのだとわかった。2017/01/09

勝浩1958

9
近衛文麿の自殺、東条英機の自殺未遂、真崎甚三郎の米側の尋問における出鱈目な弁明、木戸幸一の虚言など戦犯のていたらくには、ほとほと情けなくなる。このような輩によってどれだけの無辜の人々が亡くなったのかと想うと暗然たる気持ちになった。それと、この東京裁判では現代兵器の先端を行くABC兵器、すなわち核兵器(Atomic)、生物(細菌)兵器(Biological)、化学兵器(Chemical)の使用問題が審判の対象にならなかったのだ。それは、将来アメリカがこれらの兵器を使用したいがためであったのだ。2013/09/02

Eiki Natori

8
敗戦から東京裁判に至るまで、凄まじい紆余曲折があったことがよくわかる。「A級戦犯」の28名はどのようなプロセスで選ばれたのか、天皇の起訴はどのようにして見送られたのかということを公文書を読み解いている。731部隊の免責についても、岸信介、笹川良一、児玉誉士夫を免罪にしたことについても触れられている。 東京裁判で免罪になった連中が、米国の犬となり、それらが戦後日本を腐らせたという意味でも「東京裁判」の「正当性」については、右翼とは別の視点で懐疑的になってくる。 とにかく永久保存版の一冊である。2022/05/30

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