内容説明
明るく、美しく生きる……そんな理想とは程遠い毎日。死や老いの恐怖、憎い奴への恨みつらみ、失恋、金欠、家族との不仲、はたまた仕事の失敗、SNS炎上――。個人的不安と混迷の世情がからみあい、現代はまさに末法の世、「底つき」の時代です。本書はそんな「今」を生きるためによむ、「黒い古典」の提案。呪詛に見出すこの世の希望、ドス黒い感情の言語化にかくれた賢さ、後ろ向きマインドの安らぎ、人の生死よりも銭優先のパワフル魂……。神々の時代から江戸の世まで、「悪」寄りの名ゼリフが放つネガティブパワーをひもとくことで現代人のつらさに満ちた人生を軽くする、新・逆説の古典エッセイの誕生です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
メタボン
20
☆☆☆★ この人の著作8年前に読んでいた(本当はエロかった昔の日本)。面白い視点から日本の歴史を語ってくれる。今回は、日本の文学のダークサイトについて。まるで文学に関するダークツーリズム。死ねという言葉が逆説的に愛の言葉になるというのは、心中が日本の文化だということにも通じるかもしれない。「金銀を溜めよ、これこそ二親以外で、命の親と呼べるものである」井原西鶴の人間感が大阪商人のようで面白い。源氏物語は日本人としてはやはり必読の物語なのかもしれない。2026/04/12
みのくま
6
とても楽しく読んだが、50代くらいにもう一度読み直したくなる一冊。本書で紹介される至言の数々は悪というより負の感情の発露であり、それは誰しも胸中に去来するが表に出せないものだ。しかし清少納言も紫式部もバンバン表に出しており安心する。著者が指摘する様に平安期の女性は現代人よりも口が悪いのが興味深い。和歌や物語を武器にしていた彼女達は人一倍言葉と心の関係に敏感であるからこそなのだろうか。また著者の歴史上の人物の感性を大切にしながらも、現代人の感性との共通性を汲み上げているバランス感覚も大変素晴らしいと感じた。2026/04/03
sazanamiumi1985
1
国産みの女神イザナミの捨て台詞や平安時代女流文学者紫式部清少納言道綱母、風姿花伝東海道四谷怪談…日本の古典の中にある嫉妬、呪詛恨みつらみを大塚ひかり氏が描く。装丁がホラーめいておどろおどろしいけれど、面白く読めた。誰しも心のなかにある黒い部分。聖人君子でもなければ認めたくないけど必ずある。それをあっけらかんと悪びれず書いてある古典はそこまでいくと清々しい。マイナスである言葉を、作者がある程度の年代だからか前向きにも思えるのもいい。2026/03/05
しょう
0
大塚ひかり初読み。分かり易いし、おかしく面白い作品でした。2026/04/04
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