朝鮮漂流

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朝鮮漂流

  • 著者名:町田康【著】
  • 価格 ¥3,575(本体¥3,250)
  • 新潮社(2026/01発売)
  • ポイント 32pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784104215041

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内容説明

私たちはとんでもないところまできてしまったのではないか……。文政二年、薩摩藩士らを乗せた船は暴風雨に襲われ、漂着したのは朝鮮国だった。使者とのやりとりは漢文での筆談のみ。官僚との交渉は遅々として進まない。それでも「言葉は通じない。だが真心は通じる」のも真実だった。望郷の念がかなうのはいつの日なのか?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

142
町田 康は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、著者版朝鮮漂流、漢文書簡歴史譚でした。しかし江戸時代での厚遇、史実でしょうか❓ https://www.shinchosha.co.jp/book/421504/2026/02/10

パトラッシュ

139
映画『メッセージ』をはじめ地球人と異星人の意思疎通の難しさがテーマのSFは数あるが、本書も似たようなものか。手軽に旅行できる今日でも外国の常識や考え方との落差に驚くが、外国人との交際など皆無な江戸時代の武士には異世界に漂着したようなものなのだから。ほぼ9割を占める朝鮮側から帰国への支援を引き出そうとする薩摩藩士の交渉描写は、話の通じぬ相手と話さざるを得ない苦闘が身にしみる。現代でも露骨な自国第一主義の米中ロと交渉する外交官は、同様な労苦を感じているのかも。その意味でサバイバル外交小説と称せるかもしれない。2026/02/15

路地

38
大好きな町田康さんの新作。同じ「口訳」物の『太平記』や『ギケイキ』と比べて最近の町田さん独特のくどいほどの文体ギャグが控えめなようで、それにより物語の面白さが際立っているように感じた。作中では日本人と朝鮮人による母語ではない漢文による筆談がずっと続いているから、意図的に言い回しを簡潔にしているのかな。シンプルな文体により、主人公の心情が直接的に伝わってくるようで、物語の先行きも気になりあっという間の読了だった。2026/04/30

baba

31
兎に角時間がかかった。薩摩藩士安田義方沖永良部島代官附役の任を全うし薩摩に戻る途中、漂流し朝鮮に流される。漂流は646ページにわたる物語の59ページまでで、その後は言葉が通じず、意思の疎通は漢文のみ。朝鮮の役人と安田と筆談交渉が延々と続く。責任逃れの役人や友好的な役人と様々相手と筆談しながらも、安田は、薩摩藩士としての矜持を持ちつつ立ち向かう。上陸できないことからたらい回しされながら読み手も忍耐を強いられる。長かった。2026/05/11

Kei.ma

19
町田康さんは弱く発する光に惹かれるようだ。そして描く。深掘りし、核心を抑え可笑しなことさえも見落とさない。そうしてできた作品から、読者は見ず知らずの人物や風土に興味を持つのが倣いである。もちろん楽しいし、面白い。本書は、沖永良部島から薩摩本藩に帰任を始めた藩士一行が嵐に見舞われ、朝鮮半島西岸に漂着したというもの。分厚い一冊に読者まで漂流しかけたが、一件落着。主人公安田義方とともに目的を果たし終えたことを喜んだ。2026/05/15

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