内容説明
絵画から溢れる音に耳を澄ます
絵画は「見る」芸術、音楽は「聴く」芸術――しかし両者は、思考の奥で密かに響き合っている。
ラヴェルやムソルグスキーが名画から音を掬い上げたように、画家たちもまた、筆で音楽を奏でようとしてきた。
本書は、絵画がどのように「音」や「旋律」を描いてきたのかを、時代と作品を横断して読み解く試みである。
静止した絵の中に流れる時間、沈黙の中に聴こえる響き――視覚と聴覚のあいだに潜む、
美の秘密に触れたい人に贈る珠玉のアートエッセイ。
オールカラー! 図版45点収録
【目次】
第1章 絵画で音を出す
第2章 鳥女の歌声
第3章 神話の産物
第4章 音楽のエロス
第5章 死の音楽
第6章 楽器の象徴性
第7章 庶民の楽器
第8章 描かれた楽譜
第9章 オペラ歌手
第10章 ダンス音楽
第11章 音楽の拷問
第12章 富裕層のサロンコンサート
第13章 王の音楽事情
第14章 中産階級の家族コンサート
第15章 野外コンサート
第16章 フェルメールと音楽
第17章 子どもと音楽
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
読特
46
竪琴、ヴァイオリン、リュート、オルガン、トランペット、三味線、ハーディ・ガーディ、バグパイプ、クラリネット、フルート、ピアノ、チェロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ラッパ、ドラム、チェンバロ、そしてヴォーカル。歌って、踊って、演奏して。猫も、子供も、画家も、作曲家も、神も、天使も、鳥女も。静止している絵に描かれた楽器と楽譜。音は聞こえずとも、メロディが目の奥で流れている。「見る」と「聴く」が思考のどこかでつながっている。17章に渡って読み解く「音楽の秘密」。頁を捲り直し、その音色をもう一度味わってみる、静かに。2026/02/02
Nat
37
図書館本。音楽と名画というテーマだと作品が限られてしまい、少し物足りない感じがした。ゴヤのアルバ公爵夫人の絵は有名だが、ご主人のアルバ公爵の絵は初めて見た。2026/02/01
星落秋風五丈原
13
音楽にまつわる絵。2026/02/08
XX
10
絵画に描かれた音楽、ということで筆者には珍しく軽やかで明るい内容。音楽を絵画で表現するのではないのが、画家の矜持を感じさせて面白い。音楽を感じさせる緊迫した場面、楽器をめぐる風景、音楽に携わる者の人物画や音楽を楽しむ人々の風俗画等々。画家自身がデザインをしたというオペラ歌手シャリアピンの緻密に描かれた豪華な衣装とそれに負けない本人の風格には圧倒される。また音楽を楽しむ人々の空気感が伝わる風俗画の数々も良かった。「モリスカダンス」もリストのコンサート会場もロシアの作業小屋(「楽しいひととき」)も。2026/02/02
スエ
8
中野先生の大ファンでして、新作を見かけたらなるべく買うようにしてるのですが…。衝撃だった「怖い絵」の発売から20年近くがたち、さすがにそろそろネタが切れてきた感が否めませんでした。他作品と紹介絵画がかぶらないようにしてくれるのはありがたいものの、結果マニアックなほうに寄ってしまい、作品ごとのエピソードの掘り下げが浅く、短くまとめすぎな気がして。名画と音楽の関係性をテンポ良く紹介してくれるので、入門書としては良いかもですが。。いつものしびれる語り口とは、ちょっと遠い気がしてしまいました。2025/12/28




