内容説明
もしそこに原発が完成していたら――
2024年1月の能登半島地震で被災した珠洲市は、かつて原発の立地計画を住民運動が撤回させていた。原発が予定されていたのは、まさに震源地だった――。最悪の事態を防いでくれた先人たちの取り組みを再現する、現地取材によるドキュメント。
反原発の住民運動が日本を救った!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
53
すごいノンフィクション。能登半島地震から2年、能登地方の被災地は復興が遅々として進まない。しかし、珠洲市は過去に原発建設の候補地であって、そこが今回の地震の震源地だった。市民を二分する住民運動が激化していく70年代から2003年の計画凍結までの様子。原発をとめた後も地域に大きなしこりを残した原発問題。漁師の夫婦が漁の傍ら原発反対運動に八面六臂の活動をした姿。各地区持ち回りで寄合いを開催し、反対運動の結束を固めた経緯。取材した著者のまなざしは、政権寄りのマスコミ記者とは全く違う。この「伝言」を無駄にしない!2026/02/24
yumiha
41
能登半島地震で姉一家の安否の次に気になったのは、志賀原発の放射能が漏れていないかどうかだった。地震被害の大きかった珠洲市に、かつて原発立地計画を撤回させた歴史があったことは全く失念していた💦なんと!その予定地こそ震源地だった❗️本書は、最悪の事態を回避できた珠洲市の住民たちの当時の様子をインタビューを交えて教えてくれた。ラスト近くの塚本眞如さんの「初めて福島の人たちの気持ちがわかった」の言葉が重い。なんぼ情報化社会いうても、日常的に関わりがないことについては、ほんまの意味での共有化は難しい。2026/03/14
ロビン
18
凄くいい本だった。市議会の決議した原発誘致に、チェルノブイリ事故を目の当たりにした石川県珠洲市の人びとが反対運動を起こし、原発予定地を共同で少しずつ買ったり、市議会や県議会に反原発の議員を当選させて送りこんだりして、ついには計画を凍結させた。本書は反原発運動の関係者に、当時の話を聞くとともに2024年の能登半島地震の被害についても聞き、新しくまとめている。運も手伝った部分はあるが、市民手作りの組織が、草の根の民主主義を実現し、原発を止めたという事実に励まされる。もっと知られるべき日本の大事な歴史だと思う。2026/03/11
つく
3
みんな、自分が住む町を良くしようと思っているのに、賛成派、反対派で分裂してしまう。今はもう触れたくないと思うのもわかる。2026/04/03
えんぴつ
2
奥能登珠洲市で原発の誘致反対運動に取り組んだ1986年から17年間の記録。人口流出を止めるために原発を誘致したい県議や市議とそれに抗う市井の人々。元NHKディレクターとしてかつて番組を制作した著者が能登の人たちと当時を振り返る。高屋と呼ばれる地域で,お寺にあつまり、ビラづくり、選挙に打って出る。調査にくる北電の車を通さないように道路に寝転がる漁港のおばあちゃんたち、時には役場を占拠する町民。そしてさまざまな要因から中止になり、福島と能登地震が発生。改めて反対してくれた能登の人たちに感謝し,復興を願う2026/06/05




