中公新書<br> イラン現代史 イスラーム革命から核問題、対イスラエル戦争まで

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中公新書
イラン現代史 イスラーム革命から核問題、対イスラエル戦争まで

  • 著者名:黒田賢治【著】
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  • 中央公論新社(2025/11発売)
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  • ISBN:9784121028822

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内容説明

1979年にホメイニ―師を中心とした革命で発足したイラン・イスラーム共和国。シーア派の理論に基づいた体制を敷き、中東でも反アメリカ、反イスラエルの急先鋒として存在感を示す。国際的に孤立しようとも核開発を進めて独自の道を歩むが、ここに至るには東西冷戦や中東での覇権争いなど複雑な歴史があった。本書は革命以後の軌跡を政治・経済・社会の側面から迫る。混迷する国際情勢の中、イランはどこへ向かうのか。

■目 次■

はじめに

序 章 近代国家建設と東西冷戦構造
1 パフラヴィー朝の成立と近代国家への道
2 モハンマド=レザー・シャーの専制政治と白色革命
3 反王政運動と王の国外退去
  コラム① 在外イラン人学生の運動

第1章 ホメイニー体制と革命勢力の角逐
1 ホメイニー師の帰還と革命の達成
2 バーザルガーン暫定政府と憲法制定
3 イスラーム共和国体制と大統領選挙
  コラム② 反西洋とファストフード

第2章 イラン・イラク戦争とイスラーム共和体制
1 押しつけられた戦争と「法学者の統治」
2 広がる戦火と「コントラ事件」
3 戦争の終結と新たな体制の模索 
  コラム③ 亡命者とテヘランゼルス

第3章 ハーメネイー体制と政治的自由
1 新体制と戦後復興 ラフサンジャーニー政権(一九八九~九七)
2 体制の変容と政治的自由 ハータミー政権(一九九七~二〇〇五)
3 体制の問い直しと宗教実践の多義性
  コラム④ レスリングとサッカー

第4章 新保守派の台頭と「緑の運動」
1 国際関係の緊張とアフマディーネジャード政権(二〇〇五~一三)
2 国際的孤立と「緑の運動」
3 市民生活の変容と核開発問題
  コラム⑤ 科学者と頭脳流出

第5章 防衛戦略と核問題
1 革命防衛隊の社会への浸透
2 革命防衛隊とロウハーニー政権(二〇一三~二一)
3 核問題の解決と中東情勢の変化
  コラム⑥ 日本とイランの国交一〇〇年

終 章 暗雲垂れ込めるイスラーム共和体制の未来
1 ライースィー政権(二〇二一~二四年)への期待と終焉
2 急変する国際情勢とペゼシュキヤーン政権の発足
3 イスラーム共和体制の未来

あとがき
主要参考文献
関連年表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

84
1979年に革命で発足したイラン・イスラーム共和国の変遷を描いた現代史。各大統領の施策を軸に国の流れが語られる。革命直後のイラク戦争による傷み、米ソ関係や中東の混迷、経済問題と常に難題を抱えている状態。共和制と言っても大統領に外交や軍の戦略に最終裁量がない。国際協調を図っても軍がシリアやイラクに勢力を拡大し、イスラエルとの緊張が高まり、アサド政権崩壊の影響で現況に至る。それでも著者は市井の人々の異議申し立てと政府の試行錯誤の関係の意味を語り(章末コラムも含め)、この国の将来への思いで最後をしめ括っている。2026/04/14

skunk_c

78
主にイラン革命からあとの歴史を、その政治制度の解説や選挙の展開を含め丁寧に記述している。イラン革命後のイラクとの戦争、そしてハメネイ体制の初期の自由化政策とそれに対する反動、アメリカとイラクの戦争後はイラクのシーア派との関係など、かなり深く知ることができた。核開発とそれに対する制裁については、北朝鮮ほど極端な動きはとらないが、核を外交カードとしていることは明らか。一方イスラエルやアメリカとの軍事紛争については、本格的な戦争を避けつつ体面を保とうとする姿勢が見える。政府から独立した革命防衛軍の存在が大きい。2025/12/10

シリウスへ行きたい

75
図書館の新着コーナーにあった。たまたま借出限度に1冊分の余裕があって借出しした。一方で、たくさん借出しし、なぜか予約が次々入り、必死で読んだ挙げ句、この本に予約が入り、あと1日で返却のはめになった。返すのは惜しい、当然、返さなくてはいけない。困ってしまってわんわんわん。必死で読んだ。イランについての概略は、いろいろ知ってはいたものの、詳細を学ぶことができた。いい本だった。特に、虐げられてきたイスラム教徒として、原油売却の金でテロの輸出、感覚的にはわかる。しかし、様々な弊害がわが日本にも及んでいる。2026/03/23

田沼とのも

22
遠くて遠い国、イラン。イスラム革命は私の生まれる前後の話。ヒジャーブが強制されるこの国で、女性がミニスカートを履いて街を歩いていた時代があったとは想像がつかない。イスラム法学者が最高指導者として絶対の権威と権力を握る一方で、大統領選挙はどうやらわりと民主的に実施されている雰囲気もある(立候補制限はあるものの)。西洋近代の価値観や正義とは異なる社会の理想があり得る、と主張するペルシアの悠久の歴史もわかる気がする。原理派、改革派、革命防衛隊、法学者、錯綜する現代イランの政財界アクターを総ざらいできる一冊。2026/01/26

月をみるもの

18
ホメイニの革命のことやイラン・イラク戦争はニュースなどでは聞いてはいたし、卒業旅行は中東に行くはずだった(のが湾岸戦争で中止になった)ので、中東の歴史にそれなりの関心は持っていた(はず)。しかし結局のところ、自分の興味はイラクではなくメソポタミアに、そしてイランではなくペルシャにあっただけで、イスラムの勃興とそれにつらなる現代史を学ぼうという気が(現状のようなひどい状態になるまで)まったくなかったらしい。本書を読んで、あらためて自分の無知を実感・反省。2026/04/13

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