中公新書<br> ナショナリズムとは何か 帰属、愛国、排外主義の正体

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中公新書
ナショナリズムとは何か 帰属、愛国、排外主義の正体

  • 著者名:中井遼【著】
  • 価格 ¥1,210(本体¥1,100)
  • 中央公論新社(2025/11発売)
  • 2026年も読書三昧!Kinoppy電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~1/12)
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  • ISBN:9784121028808

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内容説明

民族や国民をめぐる心の働きを強め、再生産するナショナリズム。
帰属意識、愛国心、排外意識の三つの顔をもつ。
世界で猛威をふるう排外主義・右派躍進の正体とされるが、なぜ同胞愛は憎悪に変わるのか。
なぜ民族紛争は再燃するのか。
経済不安との関係とは。

本書は国民国家誕生からの歴史を一望し、豊富な事例をふまえナショナリズムがいつ生まれ、社会に浸透し、私達の心を動かすかの全容を描く。
俗説を覆し、本質に迫る。


【目次】
まえがき

第1章 ナショナリズムとは何か 議論の概観
1 出現   
ネーションはいつからあるのか  近代の社会現象  多様化し日常化するナショナリズム
2 定義
言葉の由来 「生まれ」  ①政治の意識として  ②政治運動のイデオロギーとして  日常的なナショナリズム
3 源泉
①近代主義  ②民族象徴主義  ③政治や権力闘争
4 分類
「良いナショナリズム」と「悪いナショナリズム」? ナショナリズムとパトリオティズム
5 まとめ――プラスでもマイナスでもなく

第2章 ナショナリズムを構成しているもの
1 三つの意識
2 三つの意識の背景
社会学/政治学/心理学  着目点の違い  諸意識の実態  世界各国の実態  意識は時間とともに変わる
3 意識間の相互連関
愛国心と排外意識はいつ結びつくの?  個人的差異より社会的文脈が重要?  グローバル化の効果?  国のメンバーシップの性格?
4 まとめ――ナショナリズムの多次元性

第3章 何が帰属意識を強めるのか
1 ネーションへの帰属意識
地域主義との関係  複数のアイデンティティ
2 近代化と帰属意識の高まり
学校教育、鉄道  出版・印刷の普及  軍隊
3 現代文化と帰属意識
スポーツの祭典  FIFAワールドカップ  アフリカのサッカー選手権  ラグビーワールドカップ
4 帰属意識を高める政治
5 まとめ

第4章 何が愛国心とプライドを強めるのか
1 愛国心の多義性・多様性
愛国心をどう捉えているか  愛国心の国際比較
2 経済格差との関係
格差と貧困  政府の陽動
3 政治的動員・選挙との関係
選挙と動員
4 国際環境の影響
グローバル化の影響  国際紛争と脅威
5 文化表象としての音楽イベント
音楽の力  国歌と祭典
6 まとめ

第5章 何が排外意識と優越感情を強めるのか
1 経済不安よりは向社会性?
経済的な脅威  集団的な脅威  外国人比率の効果
2 政治状況と排外主義
ホモナショナリズム/フェモナショナリズム
3 隠れた反移民感情
文脈によって異なる「望ましい回答」
4 国際政治の影響
外交的緊張
5 まとめ

第6章 政治・経済への効果
1 公共財の分配
福祉への効果  多民族国家は不利なのか
2 シンボル操作の効果
国土・国旗という象徴と寄付  党派的分断を癒す
3 民主的な規範と政治信頼
民主主義を促すか  社会的な信頼と負担
4 経済や資源の開発
資源ナショナリズム  エコ・ナショナリズム/グリーン・ナショナリズム
5 まとめ――ナショナリズムの政治経済的効用?

第7章 暴力・紛争への効果
1 ナショナリズムと内戦
貧困と格差  政治的排除の回避  連邦制や選挙制度への効果
2 ナショナリズムと少数派の弾圧
暴力と流血が生まれる理由  東欧でのホロコースト
3 ナショナリズムと国家間戦争
国民国家と戦争の波  失地回復運動  言説枠組みの影響
4 ファシズムとセクシュアリティ
5 まとめ――ナショナリズムと暴力

終 章 ナショナリズムの実態を見る
1 何がわかっていて、何がこれからわかるのか
2 政治をめぐる意識の一つとして
3 おわりに

あとがき
注記一覧 / 参考文献・出典

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

73
ナショナリズムの理論書ではなく、副題にあるように帰属意識、愛国心、排外主義がそれぞれどのような社会においてどのような位相を示すかを、統計を駆使して実証的に考察している。『となりの陰謀論』に通じるような議論もあり、また、「科学的には人種は存在しないが、だからといって人種概念を全部否定すると、現にある差別を否定する広義のレイシズムになる」といった議論は、かなり丁寧に問題を見ていると思う。予断に基づく断定を慎重に避け、データを丁寧に分析する手法(手法そのものの解説もある)は、理論だけで考えるより精度が高そうだ。2025/12/01

ぴー

45
ナショナリズムを少しでも理解できればと思い購読。帰属意識、愛国心、優越感情と排他主義の3つの要素に分けられることを初めて知った。帰属意識や愛国心は何で高まるのか?という問いでは、サッカーやラグビーなどスポーツや国歌など音楽を例に出しており、筆者の柔軟な視点に興味をもった。6章〜7章では、ナショナリズムが他人との信頼関係を築き、個人にも利益をもたらす効果がある反面、貧困や資源、不可分な価値に結びつくと内戦や戦争に発展する側面もあることも述べられていた。少し掴みにくに箇所もありましたが、読みやすい本でした。2026/01/10

さとうしん

15
ナショナリズムの諸相、帰属意識、愛国心、排外主義三者の関係、ナショナリズムとスポーツ、出版、音楽、言語、学校教育、経済格差、移民の増加等々との関係などを、統計調査の結果をもとに議論する。本書によると、通俗的にいろんな文脈で特殊であると言われてきた日本、あるいは中国、韓国のナショナリズムの諸相も決して特殊なものではなく、普遍的に見られるものということになりそうである。スポーツの国際的な大会や選挙との相関性や隠れた反移民感情をあぶり出す手法の話が面白い。2025/11/25

かみかみ

8
排外主義が問題視される昨今、「想像の共同体」としてのネイション(民族、国家)を考えるために読んだ。「日本人は愛国心が弱い」と言われることがあるが、実証的なデータによると、日本人の国や郷土に対する愛着の強さは主要各国の中では中位程度で、特別弱いわけではないというのは発見だった。個人的には排外主義や自民族中心主義といったナショナリズムの負の側面を念頭に置いて抑えつつも、郷土愛や同胞愛、包摂の論理となる正の側面を持つナショナリズムを抱くことは、国民国家の代替物を提示しえない現代においては不可欠であると思った。2025/12/10

politics

6
初めにナショナリズムの理論が概説され、その後ナショナリズムの三つの側面、帰属意識・愛国心・排外主義について因果推論に基づいた実証的研究から分析しその核心に迫ろうとする一冊。これまで日本ではナショナリズムについて歴史、思想的なアプローチでの研究は蓄積が多かったが、量的、実証的なそれは少なかった中で本書は大変価値がある入門書だ。思想史の成果を実証的な研究から裏打ちされるなど双方の研究がより相互連関して研究が発展すればより望ましいだろう。2025/11/30

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