内容説明
「図書館の魔女」著者の知的探索ミステリー
襖の裏紙に書きつけられた、奇妙な「天狗のお告げ」。
町外れの古書店で見つけた、上下さかさまに記された一枚の紙切れ。
家族会議から始まった、解読不能の古文書「ヴォイニッチ写本」探訪の旅。
浮世離れのディレッタントにかかれば、
一葉の紙片は秘密を語る宝石箱になる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
本の蟲
21
「図書館の魔女」作者による単発作品。博覧強記だが、生活力と機微に欠ける文献学者の夫と別れた編集者、岩槻真理。しかし元義母とは昵懇の仲。年中、元義実家に遊びに行っては元旦那と顔を合わす不思議な関係で…。正体不明の紙片・文献を、物理的な形式。用語や助詞の用法からの時代特定。有名な誤植等から読み解く、全編言葉、言葉、言葉な小説。いやぁ趣味の世界。正直、もの凄く好みが分かれると思うが、個人的には大好きだ。地の文もまた趣深い。辞書の蒐集や読み比べはハードルが高いが、鈴木大拙の『褌の研究』(笑)とか知れてよかった2025/12/08
のあ
13
意味なんてない言葉だとしても何かを見つけ出したいのが人間の、読書好きの性なのかな。 伝えようとした意図や意思が伝えたかった人に伝わるかどうかが大切。2025/12/14
ほたる
13
流石に面白すぎる。「言葉」に耽溺し文献学を突き詰めていくその語りも、物語に違和感なく溶け込んでいるラブコメも、夢中になって読み切った。特に第三話での怒涛のラブコメ展開からのただただ奇書を「読む」ことに特化した解釈、そして幕引き。とても好き。2025/12/06
anxiety
9
浮世離れした文献学者・嵯峨野修理とその元妻で編集者の真理、更にその両家の家族を巻き込み(著者の専門でもある)文献学についてだけでなく、家族達の専門分野である物理や数学までペダンティックに展開し、古書や古跡等にまつわる「謎」を解いてゆく。同時にユーモア溢れる家族小説でもあり、第3章の真理と修理の母である汐路と妙の対峙は緊張感があるのに電車内で何度も吹き出した。ヴォイニッチ手稿の考察ではタモリ倶楽部までカメオ出演、もうお腹一杯。この著者にしか描けない話でした。真理と修理、ご馳走様。さっさとより戻しなはれ。2025/12/16
鳩羽
6
編集者の真理は、元夫の文献学者の編集者でもあり、仲良しで至れり尽くせりもてなしてくれる義母の妙の可愛い娘分でもあり、気になる文献を見つけたり仕事が修羅場になったりすると、彼らの別荘に転がり込む。美味しい食事と酒、猫、そして微妙な関係のままの元夫と、様々な謎について語り合う。…張り直した襖のなかに使われていた文献や、古本屋に出ていた辞書から、分かる言葉のこと、分かる文献にまつわる様々なことを語りながら、実はいちゃいちゃしてる元夫婦の突っ込み漫才みたいな感じもあって、なんか笑いながら知的好奇心も満たされた。2026/01/01




