内容説明
「図書館の魔女」著者の知的探索ミステリー
襖の裏紙に書きつけられた、奇妙な「天狗のお告げ」。
町外れの古書店で見つけた、上下さかさまに記された一枚の紙切れ。
家族会議から始まった、解読不能の古文書「ヴォイニッチ写本」探訪の旅。
浮世離れのディレッタントにかかれば、
一葉の紙片は秘密を語る宝石箱になる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
geshi
26
著者の本業である文献の比較や解体を濃密にお届けされる知的探索の愉しみ。キャラ立ちがしっかりしていて作られる料理が美味しそうで人物にユーモラスな血肉が通っているから、難解な言葉の世界に何とかついていけるエンタメと知性の両立が巧み。第一話は一様の紙片に込められた世界の広さを紐解き、第二話は辞書の正誤表を巡って病膏肓に入ったディレッタントの業を見せ、第三話はヴォイニッチ写本を例にとった文献の解体の実際を行う。ステージを一段ずつ上げていく構成で、自然と言葉の探求の深淵へと導かれる。まさに言葉、言葉、言葉!2026/01/04
本の蟲
23
「図書館の魔女」作者による単発作品。博覧強記だが、生活力と機微に欠ける文献学者の夫と別れた編集者、岩槻真理。しかし元義母とは昵懇の仲。年中、元義実家に遊びに行っては元旦那と顔を合わす不思議な関係で…。正体不明の紙片・文献を、物理的な形式。用語や助詞の用法からの時代特定。有名な誤植等から読み解く、全編言葉、言葉、言葉な小説。いやぁ趣味の世界。正直、もの凄く好みが分かれると思うが、個人的には大好きだ。地の文もまた趣深い。辞書の蒐集や読み比べはハードルが高いが、鈴木大拙の『褌の研究』(笑)とか知れてよかった2025/12/08
タカギ
21
衒学的…で合ってます? 文献学? 文献比較学? 出版社に勤務する「私」は元夫とも元義母とも関係が良好で、かつての婚家に足繫く通っている。その元夫が文献学者で浮世離れした病的な書痴。で、そのふたりが義母や妹も交えてなんだかんだ話をするのがメイン。なんだけど、その義実家の暮らしぶりがハイソサエティな感じだし、会話もなんだか鼻につく。別れたくせに、甘やかしてもらってけっこうなことだよ、と妬ましい。主人公が女性じゃないほうが良かった気がするな。2026/01/20
のあ
14
意味なんてない言葉だとしても何かを見つけ出したいのが人間の、読書好きの性なのかな。 伝えようとした意図や意思が伝えたかった人に伝わるかどうかが大切。2025/12/14
ほたる
14
流石に面白すぎる。「言葉」に耽溺し文献学を突き詰めていくその語りも、物語に違和感なく溶け込んでいるラブコメも、夢中になって読み切った。特に第三話での怒涛のラブコメ展開からのただただ奇書を「読む」ことに特化した解釈、そして幕引き。とても好き。2025/12/06
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