内容説明
遠い地で、見知らぬ男と海に消えた恋人――
●一穂ミチ3年ぶりとなる待望の長編
『光のとこにいてね』(島清恋愛文学賞受賞)、
『ツミデミック』(直木賞受賞)、
『恋とか愛とかやさしさなら』(本屋大賞ノミネート)と、
次々と話題作を発表する一穂ミチさん。
3年ぶりの長編となる今作は、
一穂さんが「いつか書きたかった」という、
「不在」と「喪失」の物語となりました。
互いに秘密を抱えながら暮らす
男女に訪れた突然の別れ――。
喪失を通して愛を問う、大人の恋愛小説です。
〔あらすじ〕
タクシー運転手の青吾が仕事を終えて家に帰ると、帰宅しているはずの恋人・多実がいない。
翌日以降も戻る気配がなく焦りを募らせる青吾のもとに、
<多実が見知らぬ男性と五島列島の遠鹿島で海難事故に遭い、
行方不明になった>というしらせが届く。
謎の多い事故の真実を求めて、
男の妻だという沙都子と遠鹿島へ向かう青吾。
多実の人生のかけらを拾い集める旅は、
青吾自身の過去をも照らしながら、
思いも寄らぬ場所へとふたりを導く――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
434
同棲している女性が旅行に行ってくる、と出掛けたっきり予定日を過ぎても待てど暮らせど帰って来ない。男性は行方を追うのだが…物語の舞台は離島に飛び、ミステリー要素を絡め複雑な展開をみせる。そこで明らかに「風の電話」にインスパイアされたであろう電話ボックスの登場。この要素なしで物語は進められなかったのか。作者としてはこの電話ボックスを作品のキモに据えたかったに違いないが、残念ながらこの要素が物語の流れをぶち壊す。「風の電話」を実際に使っている人々の思いを踏みにじりかねない、この要素を題材にすべきではなかった。2026/07/19
starbro
427
一穂 ミチは、新作中心に読んでいる作家です。 本書は、著者3年ぶりの長編、「不在」&「喪失」の物語、予想外の展開で楽しめましたが、感動は少なめでした。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639204292025/12/07
ウッディ
305
同棲していた彼女・多実が旅行から戻らず、音信不通になり、警察からの連絡で、五島列島の遠鹿島で同行していた男性とともに海難事故にあったことを知る。見知らぬ男性と遠い場所で消えた彼女、そんな時、同行していた男性の妻と名乗る女性が現れ、二人の軌跡を辿る旅に出る。10年も一緒にいながら、多実のことを何も知らず、穏やかな幸せが続くと信じていた青吾の、もう一度彼女と話したいという願いが切ない。ファンタジーというスパイスが効いた壮大なミステリーで、思い切りが良く、さっぱりした沙都子も魅力的だった。面白かったです。2026/05/12
ムーミン
300
終盤の展開には本当に引き込まれました。最後にグッとくる作品でした。2026/05/21
はにこ
258
同棲している彼女が海難事故にあう。そこには知らない男の影が。彼女が消えた場所へ知らない男の妻と一緒に行くことに。島で調べるうちに彼女達の関係と過去を知る。閉鎖された環境だとこんな横暴がまかり通るのかな。テレホンカードのファンタジーが大切な人を不条理に失った人の喪失感を引き立てていたな。2026/03/15




