内容説明
「ただ、星を守りたかっただけ――」
現役の文部科学大臣で文壇の大御所作家でもある清水義之が全国高校生総合文化祭の式典の最中、舞台袖から飛び出してきた男に刺されて死亡する事件がおきた。逮捕された男の名前は永瀬暁、37歳。永瀬は逮捕されたのち、週刊誌に手記を発表しはじめる。そこには、清水が深く関わっているとされる新興宗教に対する恨みが綴られていた。また、式典に出席していた作家は、永瀬の事件を小説として描く。ノンフィクションとフィクション、ふたつの物語が合わさったとき見える景色とは!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
89
感想は書かない。ただ、淡々と読むのだ。そう決めてページを捲り始めた。暁闇の第7章まで読み、終章を残して金星の最後まで読んだ。そして勧められた通りに残した終章に進んだ。『さくりという歯ごたえがあった。』からの4行に不覚にも涙が溢れた。何故だ・・そんな自分にちょっと狼狽えた。苦手な湊さん。久しぶりの湊さん。この作品は読み手を選ぶかもしれない。そして私は読んだ。ただそれだけでいい。それだけが全てだ。2025/12/26
和尚
55
とても面白く、そして、苦しく切なかった。 現役の大臣を刺殺した男が記した手記の前半と、現場にいた作家が描いた小説の後半という構成。 そのどちらも読み終わった時の、この揺さぶられた感情と余韻が凄く、タイトルを見て再びため息が出る。傑作でした。 2025/12/14
ぼっちゃん
54
母親が新興宗教にのめり込み苦労した男が、信仰宗教に関わっている現役大臣を襲撃し、その事件について書いた手記「暁闇」ともう一つのフィクション「金星」がつながる物語。「暁闇」の終章に「金星」を読んだ後で読むことをおすすめしますと書かれていて、確かに「金星」を読んだ後にもう一度読むと理解できなかったことがはっきり見えた。2025/12/04
うっちー
51
賞狙いかな。私はイヤミスの湊さんが好きです2025/12/24
しょうたろう
43
感動を超えて震えたよ。「暁闇」を読みながらなんて暗い話なんだと、展開が読めずとにかく重々しく。それが、終章の注意書きを見て「?」ってなって、指示通りページを捲ると「金星」が始まった。だんだん繋がりがわかっていくあたりは鳥肌がたった。そっか。これはすごい読書体験になるぞと。その後は読了した皆さんと同じくまあ涙が滲む滲む。読み超えてため息が出たのは久しぶりで素直にこの本に出会えてよかった。読み終えた今、2つの物語はちょうど半分こに気づいて追い感動。表紙カバーを外して見つけたものに追い追い感動ですわ。まったく。2025/12/13




