内容説明
東京では毎日、どこかで炊き出しが行われている。つまり、たとえ今日、職を失い、路頭に迷おうとも、都内であれば少なくとも飢え死にすることはないといえる。都庁下、上野公園、代々木公園、山谷、寿町、西成……路上生活者や生活困窮者が列を作る日本各地の炊き出しの現場に足を運び、周囲の人と語らい、配布された食事を食べる。インバウンド客でにぎわう繁華街とは対極に位置する「炊き出し界隈」から、令和ニッポンの新しい輪郭を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
81
「ルポ路上生活」も読んだことがあるが、ルポというよりもホームレスの人たちが毎日どんな食事(主に炊き出し)をしているか、著者も実際に食べている、メニューや感想も書かれている。ただ、私的には興味本位というスタンスが拭いきれない。「路上生活」でも感じたことは、それほど切迫した 様子が書ききれていないのだろうか。ホームレスでなく持ち家があっても、その日に食べるものが多くいると聞いたことがある。そちらにも焦点をあてた本を読みたいと思った。図書館本2025/12/22
読特
50
上野でカレー、新宿でもカレー、代々木公園ではパンの取り放題、池袋ではビリヤニ、横浜で具だくさんの素麺、大阪まで出向いてステーキ丼。ほっともっとののり弁や松屋の牛めしをそのまま持ち帰りできることも。主催する団体も、純粋な支援のNGO、説教を聞かせる宗教団体、貧困ビジネスに呼び込みたい業者と様々。炊き出しは常にどこかでやっている。住がなくても、衣が粗末でも、食には困らない。まだまだ飽食なこの国だが、幸せに暮らすための「何か」が失われていく。下がり続ける自給率。パンのみに生き、パンさえも与えられなくなる。2025/12/07
つちのこ
43
都内の炊き出しの頻度が半端なく多いことに驚かされた。なるほど、炊き出しに頼ればホームレス生活は可能だと。教会や新興宗教が布教活動の一環として炊き出しを行うことはまだしも、慈善活動を出汁にピンハネをする貧困ビジネスはいただけない。こうした裏の実態をルポした著者の体当たり取材は、我が国が抱えている貧困と、不正受給が横行する生活保護政策に代表される粗雑な社会保険制度の闇を知る上で貴重な情報を提供したと思える。場当たり的な体験としての印象が強かった前著『ルポ路上生活』から、一段階本気度が増したルポになったと思う。2025/12/31
ぽてち
29
路上メシとは、生活困窮者(路上生活者や生活保護受給者など)に向けて様々な団体が行っている炊き出しのことだ。週刊誌連載のためにあちこちの炊き出しを巡り、そこに集まる人々や主催者と言葉を交わし、炊き出しの内容などを紹介する。1本あたりの分量は少なく、あまり踏み込んだ内容にはなっていない。驚いたのは炊き出しの多さだ。3食すべてをこれで済ませることも可能だという。宗教団体は説教のために、貧困ビジネス界隈のいかがわしい連中もこれを餌にする。この国では、恥も誇りも捨てられれば、生きていくことだけはできそうだ。2025/12/28
メタボン
28
☆☆☆☆ 炊き出しって、年末とか、被災地でしか行われていないものと誤って認識していた。東京や大阪では、ホームレスが多い地域で毎日行われており、生活困窮者は、少なくとも飢えることはないのか。炊き出しを無償で提供し続ける教会は説教や信者獲得が目的だとしても有難い存在なのであろう。本書は國友氏の体当たり取材の賜物。2026/01/04




