制裁:国家による外交戦略の謎

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制裁:国家による外交戦略の謎

  • ISBN:9784560091296

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内容説明

誰が、何を、なぜ、そして、どのように科すのか?

国際関係においては、他国に対する対抗処置としてしばしば「○○国への制裁」という言葉を耳にする。武力行使が国際法上禁止されている現在、制裁は相手に負荷をかけることによって譲歩を引き出し、国家の目的を達成するための外交手段として用いられてきた。
制裁措置のなかでももっとも頻繁に用いられてきたのが経済制裁であり、国家にとっては国益の保持・増大のため、国際機構にとっては国際秩序の回復・維持のための主要な手段になっている。
近年では、自由や人権、民主主義といった普遍的な価値を蔑ろにする国家や企業、個人を対象にした制裁もおこなわれるようになってきた。
なぜこうも頻繁に制裁は用いられるのか? 制裁とは、誰が、どんな目的を達成するために、どのような措置を使って、いかなる戦略のもとに科すのか、そして、そもそも効果はあるのか?――
本書はこれらの謎に理論と実践の両方からアプローチすることによって、外交政策としての制裁とりわけ経済制裁の評価を試みる。
制裁の理論的整理から過去の事例の概観、アメリカはじめ各国の詳細にわたるまで、はじめての制裁ガイドブック!

[目次]
 謝辞
 序章 国際関係理論と外交戦略の謎
第I部 学術的な議論と課題
 第1章経済制裁──「何を」「誰が」「なぜ」「どのように」
  制裁にはどのような種類があるのか?
  主要アクターは誰なのか?
  なぜ政策目標の追求のために制裁を科すのか?
  制裁はどのように目的を達成するのか?
 第2章 制裁は効くのか?──成功を測る
  ケースの数え方││何が制裁を構成するのか?
  成功を測るのにもっとも適した指標は何か?
  制裁は倫理的か?
 第3章 制裁の成否を説明する
  重要なのは経済的インパクトか?
  威嚇や武力行使をともなう制裁のほうがより効果的なのか?
  制裁と誘因を組み合わせた互恵戦略は制裁単独よりも有効か?
  政権のタイプはどうか? 非民主主義国と比較した場合の民主主義国は?
  多国間制裁は単独制裁より有効か?
  スマート制裁、とくに金融制裁はどの程度有効か?
  追求する目的によって成功の度合いは異なるのか?
第II部 主なケース、理論、政策
 第4章 歴史的視点──過去の制裁ケースからの教訓
  アテネ─スパルタ、メガラ布令(紀元前四三二)
  ナポレオンによる大陸支配体制(一八〇六~一八一四年)
  国際連盟による制裁、イタリアのエチオピア侵攻(一九三五年)
  スエズ危機、アメリカの対イギリス制裁(一九五六年)
  イギリスと国連による対ローデシア制裁(一九六五~一九七九年)
  OPECによるアメリカとグローバル市場への制裁(一九七三年)
  南アフリカへの反アパルトヘイト制裁(一九六二~一九九四年)
  結論──いくつかのクロス─ケース・パターン
 第5章 アメリカ──外交戦略と国内政治
  なぜアメリカはほかのどの国よりも頻繁に制裁をおこなうのか?
  アメリカがとくに用いる制裁の種類は何か?
  誰がアメリカの標的か?
  アメリカが制裁を用いる主な目的は何か?
  アメリカによる制裁は他国より成功しているのか?
  国内政治と政策上の重要なパターンとは?
  連邦制と州・地方政府の役割は制裁にどう影響するのか?
  アメリカが制裁を科した最近の主なケースは?
  要約──アメリカの制裁から導き出される結論と課題とは?
 第6章 中国による制裁の行使
  なぜ中国は制裁を科すのか?
  中国が用いる制裁の種類、とくに「キュー制裁」とは何か?
  主なケースは?
  要約──中国の制裁はどれほど成功してきたのか?
 第7章 ソ連/ロシア──エネルギー・パイプラインとその他の制裁
  ソ連/ロシアは制裁でどれほど成功してきたのか?
  ソ連の対ユーゴスラビア制裁(一九四八~一九五五年)
  ロシアと独立国家共同体(一九〇〇年代)
  ロシア─ウクライナ危機の際のアメリカ、EUとその他の西側諸国への対抗制裁(二〇一四年、二〇二二年)
  西ヨーロッパへのソ連/ロシアのエネルギー・パイプラインの主な問題点とは?
  要約──ソ連/ロシアは制裁発動国としてどのように対処してきたのか?
 第8章 国際連合と欧州連合──多国間制裁および地域制裁
  国連制裁および多国間制裁
  国連制裁の主なケースとは?
  欧州連合による制裁
  要約──多国間制裁の政策上の主なポイントは何か?
 終章 制裁理論と制裁政策
 訳者あとがき
 附録 二〇二二年のロシア─ウクライナ戦争への制裁/注記

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

とりもり

3
主に国家によって様々に行使される制裁の理由や効果について、網羅的に検証した一冊。民主主義国家ほど制裁の効果が高く、独裁国家はそれ程ではないというのが何とも皮肉。また、イデオロギー的な事象に対する制裁ほど効果が薄いというのも制裁の正当性という観点からは疑問符が付く。発動条件を工夫しても、所詮は最も弱い大衆にしわ寄せがいくという点で個人的には制裁に否定的だが、さりとて何もしないという訳にもいかないのが何とも…。イランに対する制裁の互恵性と比例性を巡るオバマとトランプの対比がとても印象的だった。★★★★☆2025/06/16

Go Extreme

2
国際関係理論と外交戦略の謎 学術的な議論と課題: 経済制裁─何を・誰が・なぜ・どのように 制裁は効くのか─成功を測る 制裁の成否を説明する 重要なのは経済的インパクトか 主なケース、理論、政策: 歴史的視点: ナポレオンによる大陸支配体 イギリスと国連による対ローデシア制裁 OPEC・アメリカとグローバル市場への制裁 南ア・反アパルトヘイト制裁 アメリカ─外交戦略と国内政治 中国による制裁の行使 ソ連/ロシア─エネルギー・パイプラインとその他の制裁 国際連合と欧州連合─多国間制裁および地域制裁2024/10/11

takao

2
ふむ2024/10/08

お抹茶

1
制裁の事例を検討。威嚇や武力行使を伴う制裁のほうが効果的とは言えない。制裁はアメリカの政策の重要な部分で国内政治は制裁に大きな影響を与えるが,アメリカの制裁成功率は他国より劣っている。イランや北朝鮮に制裁を加えて経済的打撃を与えても,抵抗や核兵器開発計画は拡大した。国連制裁では,グッド・ガバナンスと民主化支援の成功率が最も高いが,テロ対策と武力紛争の終結,核不拡散,武器禁輸の成功率は低い。2024/12/02

ゼロ投資大学

1
核兵器が発明されて以降、大国同士による直接の武力衝突は大きく減った。軍事力による解決が難しくなった結果、「制裁」が頻繁に活用されるようになった。戦略物資の輸出入をストップしたり、金融決済システムから排除するなど制裁の形態はさまざまである。歴史的事例を基に、制裁の効果の検証と外交に与える影響を明らかにしていく。2024/10/15

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