時間様相の形而上学 - 現在・過去・未来とは何か

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時間様相の形而上学 - 現在・過去・未来とは何か

  • 著者名:伊佐敷隆弘
  • 価格 ¥3,850(本体¥3,500)
  • 勁草書房(2025/12発売)
  • ポイント 35pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326101931

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内容説明

本書では「出来事個体」という存在を通して時間様相の性格に迫る。1.出来事個体の成立とともに確定したものとしての過去が生じる、2.過去の出現に伴って過去でないものとしての現在が出現する、3.出来事個体と呼べるのは過去の出来事のみで細部が不確定な未来にはあてはまらない。この主張を様々な角度から論証した、時間論の新機軸。

目次

まえがき

序 章 三つの課題と線イメージの限界
 1 三つの課題
 2 時間の線イメージの限界

I 過去の出現と現在の出現

第一章 出来事と時間
 1 「出来事個体」の出現と「確定したものとしての過去」の出現
 2 過去でないものとしての現在
 3 原型的〈現在〉

第二章 過去の確定性
 1 行為と想起
 2 予期と想起の違い
 3 物個体と出来事個体の違い
 4 出来事個体への指示と想起内容の変動
 5 出来事個体の存在

第三章 現在は瞬間か
 1 暗黙の前提としての現在瞬間説
 2 時間の経過――現在瞬間説の論拠(1)
 3 継起的経験――現在瞬間説の論拠(2)
 4 二種類の時間経過
 5 「経験の場としての〈現在〉」と「過去でないものとしての現在」
 6 出来事個体の存在性格

II 出来事論

第四章 出来事の同一性の基準
 1 クワインの時空基準とキムの性質例化基準
 2 デイヴィドソンの因果基準
 3 事例の分類と微妙なケース
 4 出来事とは何か

第五章 出来事とはいかなる存在者か
 1 出来事個体の過去性
 2 出来事個体の変化・消滅・復活の不可能性
 3 物個体および指示への依存
 4 出来事個体の遡及的成立

III 未来と決定論

第六章 未来と因果的決定論
 1 決定論とは何か
 2 自然の斉一性
 3 因果律と行為者因果
 4 自然法則と背景条件
 5 「完全法則」と説明

第七章 未来と論理的決定論
 1 テイラーの論理的決定論――「海戦」版と「オズモ」版
 2 「海戦」版の論理的決定論
 3 「オズモ」版の論理的決定論

IV 原型的〈現在〉と現実性

第八章 どこへも向かわない時間と〈今ここ〉の意味
 1 アウグスティヌスの時間感覚
 2 歴史の回帰としての永遠回帰
 3 どこへも向かわない時間と〈今ここ〉

第九章 現実性と可能性と必然性
 1 多様な可能性概念
 2 反実仮想と実在する物個体
 3 フィクションと実在する物個体
 4 現実・可能・必然・偶然

V 歴史的考察

第一〇章 マクタガートの時間の非実在証明について
 1 マクタガートの証明
 2 変化と系列
 3 A系列は矛盾を含むか
 4 マクタガートの「無限後退」の意味

第一一章 ジェイムズの「見かけの現在」について
 1 「厳密な現在」と「見かけの現在」
 2 現在の中における時間経過
 3 辺 縁
 4 事後的注意による意識内容の分解
 5 未来向きの辺縁
 6 一次記憶と二次記憶
 7 物理的時間と見かけの現在

第一二章 出来事の同一性に関するデイヴィドソンとクワインの論争
 1 デイヴィドソンの因果基準
 2 クワインの時空基準
 3 微妙なケース
 4 時空基準への批判
 5 因果基準への批判
 6 デイヴィドソンの転向
 7 転向の是非


あとがき
文献一覧
事項索引
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

yo

9
哲学の中の「時間論」に該当するもの。「過去が確定しているとはどういうことか」「現在から過去への移行が目撃不可能なのはなぜか」「現在は瞬間なのか、幅を持つか」の3点を主題とする。(哲学のクセに)ここまでわかりやすく検討できているのは素直にすごいことだと思う。時間の概念を説明する際に「時間の線イメージや円環イメージ」を前提とするのは良くない。これはあくまで比喩でしかないから」と言い切る勇気もなかなか。「時間とはなにか」という哲学的問いに関心があれば、本書を手に取って損はしないはずだ。2018/01/16

T.Y.

8
現実での著者の言葉の明晰さに惹かれて。時間を線イメージで捉えることの難点を指摘し、「現在から過去への移行はなぜ目撃できないのか」といった問題に挑む。出来事が完了した時点で「出来事個体」が出現し、それによって過去が成立する。また出来事個体の変化不可能性ゆえに過去は確定している。それ以前の現在は「非測定的現在」である…こうした持論を先に述べ、先人の説との対決が後に来る構成。論は明晰かつ形式論理に陥らない具体的なもので、実に納得できる。欠点は明晰すぎて全体も各章も最初のまとめだけ読めば済んでしまうことか。2017/11/26

田蛙澄

1
過去を出来事が成立することによって確定するものであり、単なる瞬間時点的な現在の以前であるという拒否することで、時間的パースペクティヴという幅をもちつつ時間は経過しているが未だ過去化していない現在という現在概念を構築し、また未来を論理的、因果的決定論の論駁により未確定なものとして確保し、歴史的永遠回帰と時間的永遠回帰の検討から直線、円環の線的な時間観念を拒否して原型的現在を導いていて、とても得心がいった。虚構の細部不確定と反実仮想の変更明示の違いや現実性から可能性、偶然・必然性の階層性も興味深かった。2019/04/22

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