バウムガートナー

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バウムガートナー

  • 著者名:ポール・オースター【著】/柴田元幸【訳】
  • 価格 ¥2,530(本体¥2,300)
  • 新潮社(2025/12発売)
  • 3連休は読書を!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~2/23)
  • ポイント 690pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784105217235

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内容説明

S・T・バウムガートナーは九年前に先立った妻アンナの不在を今も受け容れられずにいる。書斎で彼女のタイプ原稿を読み耽り、物忘れがひどいなか、ルーツの地ウクライナを旅したときの摩訶不思議な出来事を書き残す。そんな彼に恩寵が……来るべき日を意識していたとしか思えない、オースター作品のエッセンスが宿る名作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

82
オースターの遺作。災厄の朝に転がる焦げた鍋から、哲学者バウムガートナーの意識を記憶の底へと連れ戻す。18歳で出会い、40年の歳月を重ね、58歳で喪った妻アンナ。浜辺で最後に見たときの彼女の声と体はもうないのに、手紙や写真を通して甦り、死者と生者の境を曖昧にしていく。幻肢のように失われた愛をなお感じつづける男の漂流は、家族史の断片、失われた詩、看取りの瞬間へと収束し、記憶が人を生かしも呪いもするという真理を静かに照射する。やはり一筋縄ではいかない、オースターの小説だ。2026/02/05

ヘラジカ

44
全く衰えぬ筆力。これが遺作か、と思うと遣る瀬無い。本当は『4321』と同じくらいとまでは言わなくとも一つの大長篇が存在して、この本は主人公を紹介する始まりの一章に過ぎないのではないか。しかし、”あの後”が読めないのは辛いが想像する楽しさを遺してくれたと考えると慰めにはなるし、大作家の最期の作品が「開けた」終わり方をしているのは感慨深いとも言える。著作の7割も読んでいるかどうかというくらいであまり熱心な読者だとは言えないが、やはりもう新作が読めないと思うと寂しいな。2026/01/13

ケイティ

35
亡き妻の不在に囚われる70代の哲学者バウムガートナー。多くのオースター作品にはどこかに彼自身がいて、こちらも晩年のオースターが重なるような年老いた生活、喪失感や哀愁が漂う。様々な時代の過去への回想を繰り返す停滞感はあるが、死を意識しているような達観もあり、オースターらしくも新境地が垣間見えた。いびつな人間くささが生々しいのに、上品さが残る人物描写はさすがの筆力。もう新作に会えないのだな…と思うと寂しさでいっぱい。本人が意図してないにしても、期待を裏切らない遺作に相応しい名作だった。2026/02/17

M H

31
オースターの遺作。老いた男が亡くなった妻を回想し、死を意識させられる場面がとても多い。とはいえ、これまで同様に挿話が魅力的で作中作にもスルッと入れるリーダビリティーがある。最期までオースターであり続けるような。恩寵とも称される出来事とラストシーンは読者に置いていってくれたものと感じた。柴田元幸さんによるあとがきも想いが溢れて寂しさと感謝に満ちた素晴らしいものだった。2026/01/21

サンタマリア

27
詩人が語ってくれた話を裏付ける情報も否定する情報もないなかで、彼を信じることを私は選ぶ。そこにいたにせよいなかったにせよ、狼たちの存在を信じることを私は選ぶ。2026/01/26

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